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積読本は積読け!!

300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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相棒 Season 12 第17話「ヒーロー」


★★★☆☆
 久し振りの『相棒』! さすがは土ワイ出身の刑事ドラマ。事件の転がし方といい、海をバックにしたロケーションといい、完全に2時間サスペンスでしたね。サプライズ重視のために真犯人が轟の現在置かれている状況や行動経路を把握する過程を完全にスポイルしているのが気になりはしましたが、ごちゃごちゃと絡まった各要素を綺麗に整理して収束させているのでそれほど違和感はありません。
 まあ2時間ドラマのフォーマットを1時間に凝縮しようと思ったら、どこかしら端折らなければならないし、そうした意味では上手にまとまっていた回ではないでしょうか。

 連続勤務で身体がボロボロになった船長という設定もタイムリーです。例の高速バスの事故を想起させられた人も少なくないかと思います。でもこれは『相棒』が特別すっぱ抜いたというわけでなく、現代の効率主義、経済最優先的な社会の姿勢が既にそうした状況を生み出す元凶として充分すぎるほど整ってしまっているんですよね。
 対して、弁護士先生が秘密を隠蔽した理由にはなかなか驚かされました。これもまた拝金主義、実力誇示のためでないとは言い切れないけれど、結果としてそれが遺族のためになっている面も否定できない。一方の遺族はというと真実を知らされなかったことに憤りを覚えもする。
 弁護士という職業は必ずしも洗練潔白なヒーローには成り得ないし、見方によって悪意の片棒を担いでいるように見えるかもしれない。しかし、どんなに後ろ指を指され泥を被っても、その罪を背負ってでもいちばんの“利益”を実現させるために闘い抜く。
 結果として里見先生は折れてしまったものの、弁護士の良い部分と悪い部分、そう簡単には割り切ることのできないふたつの面をしっかり描いてみせた点は評価したいです。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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