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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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石崎幸二『鏡の城の美女』

鏡の城の美女 (講談社ノベルス)鏡の城の美女 (講談社ノベルス)
石崎 幸二

講談社 2013-11-07
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★★★★☆
ケムラー? 怪獣?
大手有名エステティックサロン・天野真紀ビューティーグループで、顧客三千人分の三次元身体データ盗難事件が発生! 事件はそれだけでは終わらず、データを盗まれた女性たちが相次いで通り魔に襲われるという事態に発展してしまう。犯行はエスカレートし、ついには殺人事件まで発生! 一方、事件のことを知りながらも、櫻藍女子学院高校のミステリィ研究会、ミリア、ユリ、仁美は、いつものごとくお気楽な学生生活を謳歌していた――はずだったのに、実は仁美も三次元身体データを盗まれた一人だった! 犯人の魔の手は、仁美に忍び寄るのか!? はたして事件の真相は!?


「ミリア&ユリ」シリーズ 第10作。
 祝、シリーズ10作目!でも、特に大きな変化も起きずに通常営業。いつものようにミリユリ、石崎に仁美を加えた櫻藍女子ミステリィ研究会の面々が、どこかの島のどこかの館で殺人事件に巻き込まれます。
 今回の舞台は鏡の城こと不銹城。大手エステチェーンが美容のための一大リゾートとして建設中の、ステンレスで造られた城での殺人事件に、3D身体データの盗難とそれを悪用していると目されるパーツキラー事件が絶妙に絡みます。

 最も美しいパーツの持ち主を狙うパーツキラーを迎え撃つため孤島のお屋敷へと籠城する筋立ては、殺人鬼・ミキサーから疎開した先で事件が発生する『記録の中の殺人』に近しくも、両トピックの繋ぎ方がイマイチだった既刊に対し、本書ではデータ盗難、鏡の仮面を被った美女、ステンレスの城、パーツキラーといったすべての要素が収まるべきところに収まり、ひとつの構図を浮き上がらせる様が美しい。もはや本格ではお馴染みとなった“顔のない死体”の理由付けでさえ、しっかりと真相に奉仕しているから感心です。
 7枚の扉によって構築された堅牢すぎる密室の解法も、言われてみればであるものの、単純さと難解さを同時に取り込んで充分なインパクトを残せていたと思います。
 何より、ここ数作ずっと続いてきてマンネリに陥っていたネタから離れたことで、まだまだ石崎幸二は書ける!と確信させてくれるに足る作品となりました。

 毎度のことながら200ページ弱のこの文量でこの密度、このクオリティ、そしてこの取っ付きやすさは素晴らしい。さらっとやってのけるのでなかなかその凄さが伝わり難いけれど、もっと評価されて良い作家のひとりでしょう。オススメです。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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