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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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桜庭一樹『GOSICK -ゴシック-』

GOSICK  ―ゴシック― (角川文庫)GOSICK ―ゴシック― (角川文庫)
桜庭 一樹

角川書店(角川グループパブリッシング) 2009-09-25
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★★★☆☆
例によって、例のものだよ、君。
湧き出る知恵の泉が教えてくれたのだ

前世紀初頭、ヨーロッパの小国ソヴュール。極東の島国から留学した久城一弥は、聖マルグリット学園の図書館塔で奇妙な美少女・ヴィクトリカと出会った。彼女の頭脳は学園の難事件を次々解決してゆくが、ある日ヴィクトリカと一弥は豪華客船に招待され、そこで本物の殺人事件に遭遇してしまう。やがて彼ら自身に危機が迫ったとき、ヴィクトリカは――!?


『GOSICK』シリーズ 第1作。

桜庭一樹のライトノベル・ミステリが角川文庫に移殖されたので読んでみました。
ヴィクトリカの喋り方がキャラっぽすぎてキツいっす……。

 さてさて。どうもライトノベル・ミステリという分野は通常のミステリよりも難易度が低いと思われている風潮にあるようで、年末のミステリ本の批評なんかでもそういった書き方がされています。この『GOSICK』もその類に洩れず、使われているトリックはごく単純な初歩の初歩であるのは確かなのですが、少なくとも本作に限ってはそういった、いわゆるトリック面に重きを置いた作品ではないと思うのです。

 “客船”という閉鎖空間で起こる殺人劇といってしまえば本格ミステリの王道のようにも聞こえますが、実際に描かれているのは閉鎖空間内での“殺人ゲーム”。各所に仕掛けられた殺人トラップの存在など全体の雰囲気は映画『CUBE』のようであり、集められた人の中に犯人が交じって“殺人ゲーム”が進められる様は矢野龍王の『極限推理コロシアム』などと同様にサバイバル・ミステリの王道。そこでの見所は徐々に明らかにされる犯人の“目的”と極限状態の心理劇。パニック映画に近いノリがありますね。
 どこに罠が仕掛けられているのか、どんな展開に転ぶのか、本格ミステリではなくサバイバル・ミステリとして、なかなかわくわくさせられました。

(以下ネタバレ?)


 ところで。本作の序盤では、ヴィクトリカが男性名ということが明記されていますが、作者はそれを伏線としてアレックスという名前にも同様に(逆に?)男性名→女性名の叙述トリックを仕掛けていたのではないでしょうか。確かに『CSI:マイアミ』や『LOST』なんかにはアレックスという名前の女の人が出てきますが、やっぱりアレックスと聞いてまず思い浮かべるのは間違いなく男性でしょう。

 現に、現代パートの犯人が明らかになってから一番最初のモノローグは一文目から一人称“わたし”を使ってきます。それまでのモノローグでは絶対に一人称を出さなかったにも関わらず、そこを境に“わたし”を多用し始めるんですよね。それまで「モノローグなのに三人称とか何故に?」と感じるくらいに一人称表現を殺してましたから。
 つまり、現代パートの犯人が二択という簡単さから、逆に過去パートの誰であるかを特定させにくくする狙いがあったのだと思います。

――いや、まあ自分が勝手にそう騙されたつもりでいただけなのかもしれないですけど。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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