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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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ライダー・ウィンダム『スター・ウォーズ ダース・ヴェイダー 光と影』

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★★☆☆☆
このドロイドの部品からは、ソロ船長の副操縦士のひどい臭いがする。
この箱をウーキーの監房に持っていけ

ヤヴィンの戦いから3年後、ガス巨星ベスピンのクラウド・シティで実子ルーク・スカイウォーカーと剣を交えたダース・ヴェイダーは瞑想チェンバーで、過去の自分の記憶と対峙していた。母シミと別れるまでのタトゥイーンでの生活。クワイ=ガン・ジンに見出され、オビ=ワン・ケノービの弟子としてジェダイの修行に明け暮れた日々。パドメとの愛と彼女の死。シス卿としてパルパティーンに仕え、ジェダイ粛清に加担した20年近い年月。そして、エンドアの軌道上で建設中の第2デス・スターにおける運命の日がやってきた! 映画以外で描かれた出来事なども数多くの回想で綴る、アナキン・スカイウォーカーことダース・ヴェイダー自身の光と影を描く。


 旧三部作と新三部作の映画6作と、それを補完するエピソードがまとめられたダース・ヴェイダーの回顧録。解説などでは『EP5』の直後から始まるとの触れ込みですが、実際には『EP6』の直前、『シャドウズ・オブ・ジ・エンパイア/帝国の影』のすぐ後に位置する物語であるようです。
 よって、よりマニアックな方向けに時系列を整理すると『EP5』→『オビ=ワン・ケノービの伝説』→『シャドウズ・オブ・ジ・エンパイア』→本作→『EP6』の順番になるかと思います。ちなみに邦訳作品では『EP6』の1週間後が『バクラの休戦』、そのすぐ後に『ルーク・スカイウォーカー伝』、同じく4ABYの旧『スター・ツアーズ』第三デス・スターへと続き、新々三部作の製作が決定したいま、新たなスピンオフが次々と発表され、旧三部作周りの時代はさらに混迷を極めていきそうですね。

 内容の方は相も変わらず他の「~伝」シリーズと大差なく、アナキンの視点に立った映画のノベライズが大半を占め、合間合間に『侵略の惑星』などの小説作品からのエピソード、既存の設定やスピンオフへの言及が見られる程度でしょうか。本国で出版されたタイミング上仕方ないこととはいえ、アナキンが最もヒーロー然として活躍していた『CW』関連のネタがごっそりと抜け落ちてしまっているため、“光と影”とは名ばかりで基本的にダークな面ばかりがクローズアップされているのが辛いところです。
 クラウドシティで3POと対面したアナキンの心情やラーズ夫妻の処刑命令、シミと共にワトーの元へと譲渡されることになった経緯といった真新しい描写もないではないのですが、既に『オビ=ワン・ケノービの伝説』でも似たようなものを読まされていることもあり、正直「またか……」と思わざるを得ない。
 それぞれのチャプターも一本の物語であることを意識して書かれているとは言い難く、ただ単に映画の場面をザッピングして並べただけになっているのも×でしょう。
 似たようなネタでもジェームズ・ルシーノの『ミレニアム・ファルコン』はあれだけ面白く出来ていたので、このあたりはヤングアダルト云々というよりも単純に作者の力量不足。3作読んだ上で述べるなら、ライダー・ウィンダムに小説を書かせるのは厳しいです。

 今後、FXからSW本が出るのかどうかは依然不透明ではあるけれど、「~伝」シリーズは真っ先に翻訳候補から外して頂きたい。――とはいえ、残す「~伝」シリーズはダース・モールの生い立ちから弟子入り、オビ=ワンへの敗北から復活までを描いた『The Wrath of Darth Maul』のみであり、それはそれで興味があったりしなくもなし。いや、たぶん読んで後悔するんでしょうけれど。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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