2013.10/30 [Wed]
相棒 Season 12 第3話「原因菌」
★★★☆☆
「アプリティーボ」というレストランチェーンで食事をした人が、次々と倒れるという事件が発生した。どうやら食中毒の可能性が高いが、そんな騒動の最中、食品卸売商社社員の他殺体が発見される。偶然、食中毒の被害者を助けた享は原因菌の捜査に動き始めるが、右京は殺人事件の捜査へ。鑑識の米沢によると、望の遺体の首には特徴的な傷があるという。致命傷ではないようだが、何によってついた傷なのか。食中毒の原因菌の捜査をする「アプリティーボ」へやってきた享は、そこで何かを探す右京とばったり遭遇する。
今回のテーマは食中毒と食品偽装。『相棒』ではこれまであまり扱ってこなかった題材です。
食品を提供する側のレストランチェーン、製造を担う加工工場と卸売業者、監視する立場にある保健所の四者による些細で重大な怠慢が折り重なった結果、大きな事件に発展してしまうという皮肉めいたストーリーは実に『相棒』らしい物語で、それぞれがそれぞれに責任を押し付け合い、恥も外聞もなく言い争う様は「醜い」以上に適当な言葉は見つからないでしょう。
話が進むにつれて、画面の色合いやBGMの雰囲気から鬱色の強そうな予感はしていましたが、集団食中毒といったキャッチーな絵面に反して、真相は久々に重苦しいものとなりました。比較的明るめの話が多かった「カイト相棒」ではあまりないタイプの、テイスト的にはかなり「神戸相棒」寄りな作品ですね。
これまでにも『相棒』は『X DAY』公開や「酒壺の蛇」放送のタイミングでドラマの内容に酷似した事件が現実世界でも発生するなど、俗に言う“持っている”作品としても知られていましたが、よもや現在進行形で食品偽装問題が再燃しているこの時期にこの手の話が放映されるとは。相変わらず、狙ったようなタイムリーさです。
死因はお馴染み不慮の事故系であり、事件そのものの謎解きに目を見張るような回ではなかったものの、全体像の複雑さ、内包されているテーマと問題提起の社会派要素に見応えのある回だったと思います。
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