2013.10/24 [Thu]
映画『キャビン』
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★★★★☆
夏休みに山奥へとバカンスへ出かけた大学生5人。古ぼけた山小屋の地下で見つけた謎の日記を読んだ時、何者かが目覚め、一人、また一人と殺されていく。しかし、その裏に若者たちが「定番のシナリオ通り」死んでいくよう、すべてをコントロールしている謎の組織があった。その組織の目的は? 若者たちの運命は――? その先には、世界を揺るがす秘密が隠されていた……。 (2013年 アメリカ)
最近よく見られる、ジャンルの定石を逆手に取ったアンチホラー的実験作。映画好きの知人に薦められて鑑賞しました。
長期休暇でハメを外したおバカな大学生たちがいわくありげな建物の立つ山の奥で、次々とゾンビに襲われていくお馴染みのパターンではあるのですが、そう単純ではないのがポイントです。本作では、それら大学生のバカ騒ぎをカメラ越しに監視する人々がいて、さらにはホラー映画でよくある展開になるよう、意図的にナビゲートされていきます。
閉鎖空間におけるパニック・サスペンスとその監視者という設定は『CUBE』や『SAW』などの前例もあり、もはや手法としてはそれほど新しくはありません。先行作品においてそれらは人体実験であったり、賭けの対象であったり、或いは悦楽的犯罪者の娯楽であったりもしました。
けれど、本作で最も注目すべきなのは世界中のパニック映画、ホラー映画の中の出来事はすべて“ある目的”を達成するため人為的に整えられた舞台であり、実話であったという設定です。獣人がヒトを襲うのも、大規模災害が巻き起こるのも、呪いのビデオが送られてくるのも、すべては組織が最終的な目的を実現させるために実施した壮大な自演行為だし、おっぱいの大きな女の子が真っ先に殺されるのも、仲間の輪を乱すトラブルメーカーが存在するのも全部目論見どおり、誘導された結果なのです。
何よりも驚かされたのは、この設定を敷いたことによってホラー映画(或いはサバイバル系の作品)にありがちな登場人物たちの特徴や行動に理由付けを行い、お決まりのストーリーやテンプレなキャラクター性に対して作品内にて必然性を与えている点でしょう。
しかもそれらが、単なる一部の人間の娯楽や余興で済まされることなく、さらに一段上のレベルでモンスター・パニックの枠内に中に内包されているというメタメタな構造。これはちょっと凄いですよ。感心しました。
アメリカにそうした概念があるのかどうは謎ですが、きみとぼくの決断がそのまま地球の運命に直結するセカイ系っぽさもあり、非常にゼロ年代以降らしいテーマを持った作品です。
世界に誇るJホラーの御膝元である日本の女子小学生が幽霊に対して最強すぎるなど、製作陣もある程度日本カルチャーに精通していて意図的に取り入れているのかな。
それにしても、あの女子小学生たちの中にも淫乱がゲフンゲフン いや、何でもないです。
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