2013.09/08 [Sun]
映画『ウルトラマンギンガ 劇場スペシャル』
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★★★☆☆
はるか昔、宇宙の彼方で闇の巨大な力によって全てのウルトラ戦士と怪獣たちとが、小さな人形に変えられてしまった。宇宙に散らばった人形たちのいくつかは、地球へも流星となって降りそそいでいた……。現代。高校2年生の礼堂ヒカルは、あるビジョンを見たことをきっかけに、夏休みを利用して7年ぶりに生まれ故郷の降星町へ帰ってくる。幼馴染みの美鈴や健太、千草と再会したヒカルは、さらに言葉を話す人形のウルトラマンタロウに出会い、不思議な“ギンガスパーク”を手に入れる。そんなヒカルの前に闇からのエージェント、イカルス星人が出現。イカルス星人は降星山に人形となって眠る六つの怪獣を集めて、合体怪獣タイラントを復活させようとしていた。
劇場版『ウルトラマンギンガ』第1作。
1年を通してのテレビドラマを作る体力のない現在の円谷プロが苦心の末に編み出した実験的スタイルとして、『新ウルトラマン列伝』内にて30分の新作ドラマ11本を分割1クール放送、それにプラスしてイベント上映2本の計13話から成る変則形態として製作されている『ウルトラマンギンガ』。その劇場上映作のうちの最初の1本が本作、『ウルトラマンギンガ劇場スペシャル』です。
近年までの年1本ペース公開されてきた独立した劇場版とは異なり、今回はあくまでも『ギンガ』の1エピソードという位置付けで、上映時間も併映の『大怪獣ラッシュ』短編アニメ、前半6話の総集編込みで45分とコンパクト。お値段も大人1000円と非常にリーズナブルに設定されています。
これは案外嬉しいですね。基本的に映画のチケットって高いものなので、私自身ファーストデイか前売り券などの割安時しか利用しないですし、1000円と聞くとそれだけでぐんと敷居が下がります。
内容の方も、多少のドラマ性の弱さは否めないものの、ヒカルたち主要メンバーと一歩退いたところにいる友也、闇の手のモノの刺客であるイカルス星人との宝探しのようなスパークドールズ争奪戦が楽しげに描かれ、テンポも良い。ダークザギやタイラント、初めてのギンガ以外のウルトラマンへのライブといった気になる要素も盛り込まれ、『ギンガ』視聴者であればまず間違いなく観て損はないでしょう。
特にバトルパートは力が入っており、ティガとタイラント、ジャンナインの絶妙なパワーバランス、タイラントを倒したナインに容赦なく襲い掛かり、圧倒的実力差で戦闘不能にまで持ち込んでしまうダークザギ、ギンガとザギの砂漠から溶岩帯までフィールドを変えての息もつかせぬ空中戦など、既に放映された『ギンガ』のどのエピソードよりも見応えがありました。
特にダークザギの兇悪さ、強敵感は圧倒的で、ジャンナインの巨体をものともせず、ロボットの首を引っこ抜こうとするなど容赦のないエゲつさが光ります。ジャンナインは『ゼロファイト』で上半身と下半身を引きちぎられた過去があるだけに、油断できない緊迫感がありました。
冒頭、ヒカルが友人たちに電話を掛けた際に美鈴は家で和菓子作り、千草は路上でダンスの練習をしているなど、各々の夢へ向けた頑張りをさりげなく描写してくれているところもグッド。そうそう、こういう細かなフォローをテレビ本編でも見たかったんですよ。
ヒカルや美鈴に向けたラインとは別に、第6話に続いて友也とタロウだけに通じる“よき理解者”としての師弟関係が窺える点も良かったです。
そのタロウさんはポケモン図鑑ばりに怪獣解説をし出してはみんなにスルーされるという、これまたコメディリリーフらしい役回りでした。
個人的に印象に残ったのは、キングクラブに対して千草が「キモい」と述べるころです。こうしたリアル女子高生目線な感想は、これまでの「ウルトラマン」ではあまり出てこなかったものだっただけに新鮮です。
キモいといえば、とにかくセリフのひとつひとつに全力で「イカ」を絡めてくるイカルス星人には笑いました。何なの、あのキャラと変装はw ドロンドロンだろ、コレ!
総集編パートもバルキー星人が面白おかしく茶化してくれるため、まったく退屈ではなく、ちょっと長めの「これまでのあらすじ」といったふうで楽しめます。うむ、なかなか良かったんじゃなイカな。
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