2009.03/23 [Mon]
米澤穂信『秋期限定 栗きんとん事件(下)』
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★★★☆☆
バイバイ、小鳩ちゃん。あたしもそうだけど、きみも最低だった
ぼくは思わず苦笑する。去年の夏休みに別れたというのに、何だかまた、小佐内さんと向き合っているような気がする。ぼくと小佐内さんの間にあるのが、極上の甘いものをのせた皿か、連続放火事件かという違いはあるけれど…ほんの少しずつ、しかし確実にエスカレートしてゆく連続放火事件に対し、ついに小鳩君は本格的に推理を巡らし始める。小鳩君と小佐内さんの再会はいつ?
「小市民」シリーズ第3作、の後編。
思ったとおりだ。(TRICKの上田風に)
「夏季限定」のあの終わり方から、この展開になると何度主張してきたことか。やっと、収まるところに収まった下巻なのでした。
事件自体はさほど突拍子もない展開になることもなく、順当に解決した感じ。犯人も、まぁなんとなくわかってしまったし。
あくまでも主体は小市民を目指せども、なることはできないふたりの物語で、ミステリはそれに添えられる花な印象。結局は事件がその物語の“軸”になっていることには違いないんだけど。
小鳩くんと仲丸さんのやりとり(の中に潜む小鳩くんの思考)とか、読んでいてつい、にやにやしてしまった。電車で読んじゃいけない小説ね。
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