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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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ウルトラマンギンガ 第6話「夢を懸けた戦い」


 「ウルトラマンギンガ」前半戦、クライマックス。なるほどなるほど、こういうまとめ方に持っていきましたか。同年代のヒカルらがそれぞれに叶わないこましれない夢を抱く中、現実を直視する友也は己がいずれ父親の会社を継ぐ立場にあることから、手放さなければならない夢を持つことに意味がない、と考えていた。一方で、友也の父はそんな息子には会社を任せられないと語るが、友也自身はその訳を理解できない。
 子供たちの夢をテーマにした作品で大会社の御曹司という立ち場の人間を出した場合、大抵は夢を見る子供とそれを阻害する親との確執が見られるのですが、「ギンガ」では少し変わった視点を導入していますね。
 夢を見るのは子供の仕事。叶うか叶わないかは二の次で、夢を抱けることそれ自体が重要なのだ、と。

 そんな友也に対し、ヒカルは自分=ギンガを倒すことを友也の夢にすると決めつける。これによって焚きつけられた友也と、ヒカルたちとの奇妙なライバル関係が成立するわけです。
 前半6話で和解させるには尺として短すぎますし、この折り合いの付け方はなかなか最適なバランス感覚だったのではないでしょうか。
 友也の説得を一番に試みるのが、ヒカルサイドにいるタロウであるところも面白い。まさかコタロウがドラマ内に登場し、タロウのエピソードが新たに肉付けされるとは。宇宙警備隊大隊長の父、銀十字軍隊長の母という偉大すぎる両親の背中を見て育った彼は、ウルトラマンで唯一、幼少期が描かれたキャラクターでもあり、それ故に物語のテーマにもマッチしたベストな人選といえるでしょう。
 各媒体のインタビューでは、タロウを狂言廻しに選んだ理由は今年が『タロウ』放送40周年に当たり、さらには多少ぶっ飛んだことをやっても許せるようなファンタジーな世界観に合ったキャラだから、と語られていましたが、これがまったくの偶然によるものだとしたら、ちょっとウルトラの奇跡すぎるキャスティングです。

 格闘パートはティガダーク&巨大化バルキーVSギンガ&ジャンナインのタッグマッチ。バルキー星人がなぜかヘルメットに手ぬぐいまで首に巻いたまま大きくなるのは、これまた『タロウ』を髣髴とさせるシュールさですね。
 ジャンナイン再起動のきっかけが涙である点も、オリジナルの持つ性質を上手に物語内に落とし込んでいました。
 そして、満を持してお披露目の伝統の腕組み光線技、ギンガクロスシュートと、ついに自らの言葉を話したギンガ。ウルトラマンギンガとは何者なのか? なぜタロウだけが人形にされても意思を保っていられるのか? ギンガと闇の手のモノの声が同一キャスティングなことに意味があるのか?

 物語はひと段落つきつつも、改めて全体を貫く謎を視聴者に突き付けてみせた今回の引き。11月から始まる後半戦への布石としては、充分以上に興味を惹ける良い締めだったんじゃないでしょうか。
 次は9月10日公開の劇場スペシャルですね。既に1ヶ月を切っているだけに、楽しみでなりません。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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