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映画『クラーケンフィールド/HAKAISHIN』

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★★★☆☆
幼い頃、海で両親を失って以来、その原因を追究し続けているレイ・ライター。彼は、古代神話の宝石を探す海洋考古学者ニコール・フェリン博士の探検に加わり、宝探しとは別の目的を果たそうとしていた。しかし、何世紀もの間、その宝石を守っていた生き物こそ、レイの両親の仇――巨大クラーケンなのであった。 (2006年 アメリカ)


地上波で放送があったので録画視聴。
 6月の『午後のロードショー』はみんな大好き巨大生物特集! その一番手を飾るのが本作『クラーケンフィールド/HAKAISHIN』です。
 倒壊した自由の女神像に緑を基調にしたジャケット、そしてこのタイトル! 誰もがあの『クローバーフィールド/HAKAISHA』との関連を一瞬考えてしまうところですが、驚くなかれ。なんとこの映画、原題『DEADLY WATER/KRAKEN: TENTACLES OF THE DEEP』ということで、勿論J.J.エイブラムスの超傑作とは1ミクロンも関係ない、ただの便乗作です。そもそも自由の女神なんて影も形も出てこないし、内容からして腹筋がステキな女性海洋考古学者一行とそれをつけ狙うギャング団、伝説の宝を守るクラーケンが三つ巴を繰り広げる王道のモンスター・パニックです。撮影方法がPOVだというわけでもないし、クローバーとクラーケンの字面が似ているから、というだけで強引にパクり商品にしてまうメーカー側の剛腕には舌を巻きますね。

 あらかじめ申しておきますとこの作品、すこぶる評判が悪いです。悪いのですけれど、私としてはなかなか楽しめたと言いますか。むしろ、どちらかといえば好ましくさえありました。
 本作の特色は、まずは何より、そのスケールの小ささでしょう。神話時代の宝を発掘するといっておきながら、舞台となるのは外洋ではなくせいぜい入り江程度。目玉であるクラーケンも実際に存在するダイオウイカやダイオウホウズキイカよりも遥かにミニマムな、せいぜい5メートルあるかないかという大きさです。
 兎にも角にもドデカい怪物を出しておけばオーケー、アメリカどころか世界中がピンチに陥るぜ!が常套のモンスター・パニック業界において、このコンパクトさはかなり異例です。

 しかしながら、このムリに背伸びをしていない感が、逆に物語をすんなりと受け入れられる要因にもなっています。数十メートル級のイカが大暴れしないのは確かにインパクトに欠けるものの、その代わり観客に「このくらいならいるかもしれない」と思わせることに、少なからず成功しているのです。
 水中の映像にしても同様で、普通、こうした海洋モノの場合、青々とした海の中に怪物を泳がせるものですが、本作では緑がかって視界の悪い海中をクラーケンが泳ぎます。結果として、CGモデルの拙さが濁った水に巧く紛れさせられて、映像クオリティが三割くらい増したように感じてしまう。
 さすがにヒト対イカの格闘シーンでは合成のマズい部分が目立つとはいえ、船の周りを泳ぐクラーケンを俯瞰で映したシーンはかなりイイ。つるんとしすぎたクラーケンの胴体も、これはこれでイカっぽい。
 決して素晴らしい出来とはいえないのに、身の丈に合った映像が偶然か狙ってか上手にフォローに回っている。これはアリでしょう。言われているほど悪くないです。

 渦巻き模様のタコが帆船を襲っている有名なイラストから、私の中ではクラーケンといえばタコのイメージが強かったのですが、意外とイカのパターンを支持している人も多いんですね。そりゃまあ、未知の生き物だからどちらがどちらということもないのでしょうけど。ダイオウイカ級の大ダコが確認されていないから、自然とイカの方が現実的な意見になってくるのかな。それらしいのは、バハマのルスカがUMAにいるくらいですしね。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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