2013.05/09 [Thu]
映画『デンジャラス・ラン』
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★★★☆☆
最果ての地、南アフリカにあるCIAの隠れ家に一人の男が連行されて来た。彼の名はトビン・フロスト。36カ国で指名手配を受けた犯罪者にして、元CIA最強のエージェント。そして彼が収容されるや否や、完璧なはずの隠れ家が襲撃される。「彼らは、俺を狙っている。お前は俺を守る義務がある。どうする?」フロストに選択を迫られる隠れ家の管理人マット。新米CIAの彼は壊滅寸前の隠れ家からフロストを引き連れ、決死の脱出を試みる。武装した未知の敵は何者なのか? フロストが狙われる理由は何なのか? (2012年 アメリカ)
原題『SAFE HOUSE』。CIAの裏切り者として世界各国から指名手配されるも未だに尻尾すら掴めない逃亡犯トビン・フロストと、彼が連行されてきたセーフハウスの新人管理人が一緒に逃げることなり、ときには相手を巻き、追いつき追い越されながらにフロストを巡る事件の真相に近付いていくサスペンスアクションです。
最初に雑誌のスチールでこの作品を知った際、いまにも人を射殺しそうなデンゼル・ワシントンの凶悪な目つきに衝撃を受けました。語彙の少ない若者風にいえば「これはヤバい」。いくら役とはいえ、ここまで鬼気迫る表情を作れるものなのか、と。その本気度に戦慄すると同時に、そこまでの演技を見せてくれる映画ってどんなものなのだろうかと大いに期待を寄せていた作品でもあります。
キャリアアップを望む閑職ともいえるセーフハウス管理人の青年が、そんな手練れの極悪犯との逃亡を余儀なくする中で、彼に操られ、本当の悪を垣間見る。中盤まではフロストとマットの心理戦と大規模な逃亡劇、そしてバラバラになった主役ふたりの間でも並行して追跡劇が描かれ、非常にスリリングです。
犯罪捜査に関しては素人同然のマットの危なっかしさも手伝って、観客に伝わる臨場感もかなりのもの。スタジアムでの包囲網突破とスラムでの三つ巴銃撃戦は本作で最も見応えのあるシーンでしょう。
それだけに、オチの付け方で物語全体がいっきに陳腐化されたといいますか。最終的に、単なるありがちなヒーロー譚で終わってしまったのが悔やまれます。
ここまで盛り上げておいて、そんなザ・ハリウッド大作!な展開で〆めるとは。うーん、終わってみると存外凡庸な作品でした。
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