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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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映画『仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!』

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★★★☆☆
外宇宙技術開発機構OSTOの後継団体であるオスト・レガシーの本部長秘書・白山静が仮面ライダー部に協力を求めてきた。今から5年前、未完成の段階にも関わらず、太平洋に浮かぶ無人島を超重力子砲で一瞬にして消し去った衛星兵器・XVII。これをアリシア連邦で開発された宇宙鉄人・グランダインとスカイダインが、いよいよ完成させようとしているというのだ。宇宙鉄人の目的は、人類への反逆。もしXVIIが完成すれば、世界は破滅してしまうに違いない。仮面ライダー部の秘密の活動を知っていたオスト・レガシー本部長・冴葉晴海は、改めて彼らに、XVIIの破壊を依頼する。こうして、弦太朗たち8人は、ついに宇宙へ旅立つことになった。


劇場版「仮面ライダーフォーゼ」。
 いちばん最初に坂本監督が『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』で日本特撮界に参戦したとき、まさしく新しい時代の幕開けを感じました。続いて担当した劇場版『仮面ライダーW』がこれまたアクション、脚本共にハイクオリティな逸品で、もはや多くの特撮ファンは坂本監督に任せておけば間違いない、とすら思ったハズです。
 しかし馴れとは恐ろしいもので、あれだけ渇望していた高品質のアクションと燃える画づくりも、いくつか観てみるとその問題点が目につくようになってきます。本作『みんなで宇宙キターッ!』は、そうした坂本監督の悪い部分が思いきり出てしまった作品でもありました。
 というのも、『MOVIE大戦 MEGA MAX』でも感じたことなのですが、坂本監督はアクションシーンに力を入れすぎて、ドラマパートの描き込みが全体に足りていないのです。しかも『フォーゼ』という作品は「平成ライダー」の中でも圧倒的なまでに“人間が描けていない”ので、それらがマイナスの相乗効果を生んでしまっているという悪循環。
 「ライダー」の夏映画は総じて、各作品のテーマが凝縮されていて、『フォーゼ』の場合は青春だったり友情だったりになるのでしょう。ですが、『フォーゼ』で語られる弦ちゃんの友達観の薄っぺらさはどうにも擁護し難いものがあり、本劇場版でもそれは変わりません。

 機械が相手でも友達になってみせる!と豪語した弦ちゃんが、ちょっとやそっとXVⅡに攻撃されたくらいで感嘆に友情を築くのを諦めてしまい、その後、XVⅡの真意を知って涙を零すシーンはあまりにも唐突です。弦ちゃん自身の演技力のなさも相俟って、正直観ていて恥ずかしくなるレベルで白けました。
 自分を助けてくれるXVⅡのことは友達と呼び、敵であるキョーダインは完全撃破してしまうのも違和感が残ります。そこは『フォーゼ』のテーマからして、本来であればキョーダインと和解して然るべきでしょう。それをしないで、味方は味方、敵は敵とハナから線を引いているところを見ると、結局、弦ちゃんの言う「友達」とは、自分にとって有意義に動いてくれる存在の肯定でしかないんじゃないか、と強く感じさせ、何とも気持ち悪い。
 その周りの見えていなさ、自己肯定と自己陶酔が高校生らしさといってしまえばそれまでなのですけれど、私はこの部分が非常に納得できない。というか、こういった価値観を「友情」として子供たちに示すこと自体、非常に抵抗があります。
 せめて弦ちゃんがキョーダインのふたりを最後まで説得し続けるとか、そんな展開にできなかったものでしょうか。

 Gメン並びやタンクトップなクイーンなど、カッコイイ絵面もあるにはあるのでかろうじて★×3を保っていますが、お話自体は限りなく★×2。夏映画にしては珍しく、「戦隊」の方が面白かったです。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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