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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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映画『ラストデイズ・オブ・ザ・ワールド』

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ジョン・ウィンダム

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出逢いは偶然だけど、自分の意思で一緒にいた
遺伝子操作によって開発された肉食性植物トリフィドは、樹液が石油に代わる新しいエネルギー源になると注目されていた。そんなある日、太陽風現象が発生。猛烈な閃光が人々の視力を奪ってしまう。トリフィドにも異変が起り、人間を襲い始める。世界各地で地獄のような惨事が発生していた頃、ロンドンでは未曾有の危機を打開しようとトリフィド研究者メイスン、女性レポーターのジョーたちが立ち上がっていた。 (2009年 イギリス・カナダ)


 1月1日の未明に『パニック・イン・ロンドン 人類SOS! 襲いかかる肉食植物』として放送されたものを録画視聴。2013年1本目の映画レビューにコレを選んだ自分も大概ですが、新年初っ端から前後編合わせて3時間もあるモンスター・パニックをノーカットで流してしまうBSジャパンは神なのか。

 本作は過去に何度か映像化されている有名SF小説『トリフィドの日』のテレビ映画化だそうで。世界規模の失明現象と食肉植物の侵攻というふたつの要素をミックスさせたちょっと珍しい作品となっています。天体ショーの観察によって同時多発的に世界中の人々の目が見えなくなってしまうといった設定は昨年の金環日食フィーバーを思い起こせばあながち考えられないシチュエーションでもなく、多くの人間が視力を失ったことで都市機能がマヒし、崩壊していく文明社会の様子は映像的にもまったくチープさを感じさせず、かなりの説得力を伴って見せてくれます。
 また、視力のある者に群がり独占するために暴力的に振る舞う民衆、弱者となった失明者を切り捨てて新しいコミュニティを築こうとするお偉方、視力のある者は失明者を積極的に助けるべきと主張する大佐等、目の見える者と見えない者の対立構造から人間の本質を描くところは『ブラインドネス』と似ています。
 
 そこにモンスター・パニックの要素が加わるのだから、これがつまらないわけがありません。一定の知能を持ち街や森を練り歩く食人植物トリフィドのCGもハイクオリティ。パニックものとしての驚かせ方、盛り上げ方も上手いので襲撃シーンもかなりの緊迫感がありました。
 さらには大佐の善意を利用して支配者に成りあがろうと企てる男の画策によってメイスンとジョーが引き離され、度重なる追っ手に狙われるなどサスペンス要素も充分。父親探しの過程ではとある教会に立ち寄って恐るべき真実に直面し、共に歩いた仲間と別れ、また新しい出逢いを体験するロードムービー的な側面でも楽しませてくれる。
 ここまで面白いモンスター・パニックはそうそうお目に掛かれない。トータルで3時間という長丁場ですが、惹き込まれるようにいっきに観てしまいました。
 個人的には『ザ・グリード』『ジュラシック・パーク』『カニング・キラー/殺戮の沼』に並ぶモンスター・パニック四天王に認定しても良いレベルの傑作だと思う。親を失ったガールたちが姉妹で気丈に頑張っているのもポイント高し。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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