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積読本は積読け!!

300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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相棒 Season 11 第11話「アリス」


★★★☆☆

今から57年前の昭和30年(1955年)12月24日のクリスマスイブ。郊外にある早蕨村。小規模だが贅を尽くした美しいホテルのロビーに2人の少女が元気に姿を現した。宿泊客で橘・元子爵の令嬢・瑠璃子とホテルのオーナー、二百郷(におごう)洋蔵の娘・朋子だ。ふたりは森の中へと散策に出かけていく。しかし、瑠璃子は忽然と姿を消し、朋子は一人森の中に取り残されてしまう。瑠璃子は一体どこへ消えてしまったのか? そして平成24年(2012年)12月24日。ロンドンのある邸宅。75歳になった朋子が息を引き取った。「ヒナギクじゃなかった。茜が危ない。あの子を助けて」という謎の言葉を残して……。


 恒例の元日SP、2013年一発目は多くの華族を顧客に持つホテルをかつて経営していた二百郷家の跡取り娘と、50年前の失踪事件をめぐる秘密に戦後史を絡めた時間的スケールの大きい話となっています。
 毎年さまざまな王道テーマに挑戦してきた正月SPですが、なんと今年は暗号もの&宝探し。宝探しといえばこれまたミステリでよく見られるテーマのひとつで、瑠璃子さんのスクラップブックに隠された暗号を読み解き、複雑なカラクリを動かして秘密の部屋に辿り着くフィクション性の高い仕掛けはまるで新本格を読んでいるよう。実写ドラマの枠内でここまで“リアリティに欠ける”真相を描いていながら、きちんと刑事ドラマしているところはさすがの『相棒』です。
 事件としては公安の出店や甲斐パパの暗躍は結末も含め、わりと小さく収まってしまい、あくまでもエンターテイメント性を増しますためだけの要素に成り下がってしまったのが拍子抜け。いかにも怪しげな人物がそのまま犯人だったところもイマイチでした。
 というか見逃していたら申し訳ないのですが、いつのタイミングで毒を入れたんでしょうか。わりと不用心な家なので予め台所に侵入してたとか? ううむ、よくわからん。

 50年前の空気感は良かったですね。お嬢様方の仕草やお喋りに可愛らしさとあの時代ならではの厳かさがあるし、セピアっぽい映像の色合いも雰囲気がよく出ていました。二度と戻ることのできない“無垢な少女期からの卒業”のメタファーでもあったタイトルの「アリス」も、観終わった後ではその響きに深みを感じをさせます。
 水谷豊の一人二役はちょっとやりすぎかな。この手の演出をやられるとドラマ自体が急にあざとく見えるというか、安っぽく思えてくるので個人的には好きではないです。
 右京さんが朋子さんと出逢った時期は作中時間から考えると1stで特命係が解散した後、薫ちゃんが運転免許試験場に飛ばされている間でしょうね。こうしたオフシーズンを埋めてくれるエピソードは地味に嬉しかったり。
 『仮面ライダー電王』の愛理さんこと婦警の大石さんはキャラも立っていて、今後もサブレギュラーで出てくれても良いかも。仮面ライダーといえば、瑠璃子さん役の広瀬アリスも『仮面ライダー×仮面ライダー W&ディケイド MOVIE大戦2010』に出ていましたね。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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