2012.11/25 [Sun]
マンガ総評:クリスタルな洋介『ひめはじけ』
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★★★★☆
姫が異常にはじけるから、ひめはじけ! 気高さと崇高さを兼ね備えた姫がいま、国王である父に誕生日のお願い事をした……。「世界の憧れ”大和撫子”を生んだ日本へ、花嫁修業に行くんだよ!!」「はぃえ!!?」 異国のお姫様が邁進遊ばせしは、ご機嫌麗しき花嫁修業!!! 世界が憧れる日本の"大和撫子"を目指して、本日も清楚に慎ましく花嫁修業に明け暮れるのです!!! はじけにはじけて、はじけ飛び出すポップン・プリンセス・コメディー。(全3巻)
めったに書かないカテゴリなのに、なぜか2日続けてマンガ総評。こちらも先週の『週刊少年サンデー』で無事完結を迎えました。傑作ラブコメ『オニデレ』の作者さんの新連載ということで、開始当初から期待を寄せていた作品でもあったのですけれど、相変わらずクリスタルな洋介先生はぶっ飛んでいらっしゃる(褒め言葉)
狂気すら感じさせる、確実に読む人を選ぶ凶悪なシュールさを孕んだギャグは前作そのまま――というよりもむしろパワーアップ。箸が転がってもおかしいお年頃なひめさまが、そこかしこから顔を出す“戯れの衝動(ウヒャッホイ)”の誘惑と闘いつつ、毎回掲げた花嫁修業を完遂させようと頑張るお話です。そう表現すると少しはまともに見えるのですが、まぁ要するに、とにかくイタズラをしたくてたまらない女子小学生が結局はっちゃけちゃってツッコまれるギャグマンガです。こともあろうに、『オニデレ』のミヅキさんをヒロインにしてしまった作品と言っても良いかもしれません。
この突き抜けたおバカさ加減がいかにも小学生だよなぁといった感じでたまらないのです。お調子者のカンナ(表紙画像の右下でカッコつけてる娘です)の言動がいちいちツボすぎる。
かと思えば、ごくごくたまに本気で良い話をぶち込んでくるから気が抜けません。特に、『ひめはじけ』というタイトルに秘められた本当に意味が明かされるリヒテンシュットン王国でのひめさまの演説シーンは本当に感動しました。そして、不覚にもこのマンガに感動させられたことを悔しく思ってしばらく煩悶するという。ええ、ええ。もう大好きですよ。愛してますよ。枕パンチ!!@オトメロディーですよ。
全3巻で完結するのは少し短いようにも思えますが、あまり長く続けるようなタイプのマンガでもないですしね。終わってしまうのは名残惜しくも、この作品らしい終わり方で大変満足でした。次作も期待しています。なるべく早く新作を読める日が来ると嬉しかったり。
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