2012.11/24 [Sat]
マンガ総評:ミウラタダヒロ『恋染紅葉』
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★★★☆☆
赤面症の葛城翔太は、鎌倉に住む高校生。ある日、写真撮影を頼んできた美少女にひと目惚れするが、その相手がアイドル女優の紫之宮紗奈だと分かり!? 情景豊かな鎌倉を舞台に、珠玉の恋物語がはじまる――。(全4巻)
今週号の『週刊少年ジャンプ』にてミウラタダヒロ『恋染紅葉』が完結。今後刊行される最終巻には40ページの描き下ろしがつくそうですが、とりあえずは全体の感想をば。
本作は『パジャマな彼女。』、『ニセコイ』と同時期に連載が開始された『ジャンプ』ラブコメ三国時代のうちの一角。。『恋染紅葉』という作中のドラマになぞらえ、海の見える街で出逢った冴えない主人公と売れっ子のアイドルとが互いに惹かれていく様子を描く。その特徴をひと言で述べるなら“懐かしの王道ラブコメ”です。
相手が芸能人であるために立ちはだかる障壁、成長して大胆なアプローチを仕掛けてくる初恋の女の子、彼らを見守る友人たち。いまどき、ここまでストレートなザ・恋愛マンガもそうそう見られないかと思います。それでいて、この限りなく王道でちょっとノスタルジーを感じさせる設定と、舞台となる鎌倉という土地柄が非常によくマッチングしており、決して古くさくはなっていない。むしろ良いアクセントとして有効に機能しているのです。
最終回直前の大一番、お祭りにて告白の決心を固めたナナちゃんが、狐面で素顔と本心を隠す演出は限りなく情緒的で、本作の白眉ともいえるシーンでしょう。
ただしキャラクターに関しては少しばかり弱い部分もあって、ビジュアル面も含めて翔太にお人好し以上に「コレ!」といえる押しがなかったのと、途中でフェードアウトしてしまっている人員がいてフルに活かし切れていない点は惜しかったです。
個人的には海音がイチオシでした。いわゆる友人ポジションなのでヒロイン扱いのキャラではないし、性格もサバサバしていて見た目にかわいい!ってタイプの娘ではないのですが、あの包容力には惚れますね。紗奈ちゃんなんか目じゃないぜ!
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