2012.11/20 [Tue]
映画『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』
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★★★☆☆
ひとりはみんなのために、みんなはひとりのために
17世紀フランス。銃士に憧れ、田舎からパリに上京してきた気が強く無鉄砲な青年ダルタニアン。念願叶い、フランス最強の三銃士の仲間入りを果たした彼は、影の権力者リシュリュー枢機卿の裏切りによって奪われたフランス王妃の首飾りを取り返すため、イギリスへと向かう。しかしそこには、王妃との「秘密」を握るイギリスの貴族バッキンガム公爵と、正体不明の美女ミレディの黒い影が立ちはだかり、ダルタニアンと三銃士は史上最強最悪の敵との対決の時を迎える。彼らはフランスを、そして世界を救うことが出来るのか。 (2011年 アメリカ・フランス・ドイツ・イギリス)
地上波で放送があったものを録画視聴。何が驚きかって、去年公開という超速地上波放映なんですよね。下手したらレンタルでもまだ準新作の店があるんじゃなかろうか。DVDプレゼントまでしちゃって、よほど人気がなかったのか、はたまたその逆か。
タイトルこそ『三銃士』ではあるものの、本作の主人公は自信家の新人銃士・ダルタニアン。ひょんなことから伝説の銃士たちの仲間に迎えられた彼の冒険とロマンスを描いたエンタメ超大作です。
偉人の遺したオーバーテクノロジー気味なお宝に、巧妙に仕掛けられた罠、敵か味方かわからない謎の女と悪党とのド派手な決闘――。えーと、これなんて『ルパン三世』? 製作側がどの程度意識したのかはわかりませんが、この映画を観て『ルパン』を思い起こさない日本人はいないでしょう。
そしてまたも出ました、レオナルド・ダ・ヴィンチ。オーパーツちっくな発明品はとりあえずレオナルド・ダ・ヴィンチかミロ・ランバルディかみたいなところがありますからね。再三使われまくったありきたりな設定というか何というか。『ダ・ヴィンチ・コード』の世界的大ヒットでその傾向により拍車が掛かった気がします。
時代考証も何のその、とにかくド派手にぶちかませ系のお話なのでノリ以上に残るものは特にないのですけど、物語のキーパーソンとなる国王陛下とアンヌ王妃のかわいらしい恋心はとても良かった。確かに、ここで登場するルイ13世はリーダーシップや統率性、王としての威厳を欠片も感じられません。一般的にいえば愚か者ということになるでしょう。王妃が首飾りを盗まれ、晩餐会(?)に出席できない――そんな些事が戦争に発展するなんて、バカバカしいにもほどがあります。
しかし、です。人一倍純粋な心の持ち主で、田舎から出てきたばかりの青年にも分け隔てなく接し、政略結婚で嫁いできた王妃への愛情の伝え方に悩む国王陛下。そんな彼でも自分にとっては最高に頼もしいと断言するアンヌ王妃。互いに互いを想っていながら、本当の気持ちを伝えられずにいる不器用なふたりのために何かできることをしてやりたい、せめてふたりのささやかな平穏だけは守り抜いてあげたい。強く、そう感じさせるのです。
だから、大激闘の末に至る結末がちょっとズレた感性のダンスであっても、その姿が見られただけで自分たちもハッピーな気分になってしまう。究極的にはそこですよね。この緊張感皆無な牧歌的なエンディング、私は嫌いじゃないです。
女性陣が揃って美人じゃないのが残念といえば残念。ミラ・ジョヴォヴィッチもなぁ、無印『バイオハザード』の頃は見た目に可憐さがあったのに、いまやドレスを着てもお狐様にしか見えないという……。
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