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映画『ターミネーター4』

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★★★☆☆
……俺は、人間だ。
時は2018年。核戦争で荒廃した世界は、人工知能搭載のスーパーコンピューター“スカイネット”に支配されていた。生き残った人々は抵抗軍を組織し、機械との最後の戦いに備えていた。一部隊のリーダーであるジョン・コナーは、“スカイネット”がやがて自分の父親となるカイル・リースの命を狙っていると知り、彼を探し始める。一方、ターミネーターがさまよう荒野をたくましく生き抜く少年カイルは、核戦争のことも、今が何年かさえもわからない屈強な男・マーカスと出会う。(2009年 アメリカ)


『ターミネーター』シリーズ第4作。
今月のはじめに観に行ったのですが、映画の感想を溜め込むだけ溜め込んでまだ書いていなかったので(未補完はあと2本!)
 この『ターミネーター4』、アメリカでの興行は散々で決定済みのハズの続編製作も危ういとか危うくないとか。さらに日本でも、つまらない、制作費の無駄、失敗作という意見を多々目にしていたので、どんだけ酷いんだろうと結構身構えていたのですが、これが周囲の下馬評に反して予想外に面白かったです。まあ駄作とまでいわれて黒歴史扱いの『T3』を気に入っている人間なので、アテにはならない感想かもしれませんが、普通に楽しめました。

 『ターミネーター』といえば、『T2』が最高傑作――『T3』は折角回避できたはずの“審判の日”を先延ばしにしただけだったとか言い出すし、ジョンはヘタレになってるし、シュワちゃんは☆のサングラスを掛けちゃうし……というのが一般の評価で、『T3』の扱いは酷いものです。終いには『T2』の好感触を削がずに人気シリーズ設定を継いだ作品を出したい都合から、『T2』の正統続編としてドラマ『サラ・コナー・クロニクルズ』、小説で『新ターミネーター2』、映画で『T3』とは別の歴史としての『T4』が作られてしまったわけです。
 しかし、『T4』のノベライズを見てみると、『T2』の後に再度未来からターミネーターが送り込まれ、現在夫婦となっているジョン・コナーとケイトの再会や審判の日が訪れたのもこの時と明言されています。これはまるまんま『T3』の出来事です。その上、『T:SCC』も『T4』とは連続性のない物語としています。
 要するに、制作陣は“売れる作品”というだけで『ターミネーター』の名を掲げた作品を作り、実際のところ整合性も何も考えずに作ってるんですよ。われわれ視聴者のことなんてまったく考えていません。時間ものなんだから上手く処理すれば何とか説明をつけられるかもしれないのに、それさえしようとしない。その、作品への愛の足りなさが『ターミネーター』というシリーズの限界を決めてしまったに他なりません。

(以下、ややネタバレ)


 今回の『T4』、確かにところどころツメは甘いかもしれません。あんな大規模な空港とかどこにあるんだよとか、カイルは活躍してなくない?とか、ラスト、そこまでしてジョンを生かす必要があるのか、或いは誰もマーカスの決定に異を唱えないのか、とか。でも冷たい言い方かもしれませんが、よくよく考えると、得体の知れないターミネーターの仲間のようなやつが、自分の命を差し出して自分たちのリーダーの命を救ってくれるというのだから、抵抗軍にしてみれば鴨ネギなところもあるんですよね。それは逆に、人間の心理としてはリアルかもしれない。それにカイルの件にしたって、親心ならぬ子心と思えば、理解できないこともないです。

 また、面白いのはこの『ターミネーター』今まではある意味、タイムスリップものというカテゴリでしたが、今回舞台を未来に移すにあたって、この要素は殆どなくなったといっても過言ではありません(真の主人公・マーカスはタイムカプセル的な感じですけど)。ひたすら、機械と人間の、生存を懸けた戦争の様子が描かれます。荒廃感を出すためにわざと日に灼いたというフィルムはそこまでな感じはしませんでしたが、スカイネットとの戦争によって退廃した世界の様子なんかは『バイオ・ハザード3』なんかより全然描けていました。

 単なるパニック映画から始まって、シリーズ内でこれだけの振り幅でテイストの異なる作品を出せるというのは、普通に考えてすごいと思う。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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