2012.11/07 [Wed]
相棒 Season 11 第5話「ID」
★★☆☆☆
ある朝、享が出勤すると、鑑識課で米沢と右京がパソコンで宝石強盗事件の防犯カメラの映像を検証していた。犯人は宝石店のガラスケースの下に時限装置付きの発煙装置を仕掛け、その発煙装置から煙が発生している間に3億円相当のダイヤを持ち去ったという。しかし右京は煙の流れからあることに気づく。さらに、享は交番勤務のころに知り合った女子高生・樹里に呼び出された。階段から転落した男を発見し救急車を呼んだのだが、樹里と友人は階段の上にいる不審な人物を目撃していたという。
「ボーダーライン」をめちゃくちゃ軽くして「イエスタデイ」と「消えた女」を突っ込みました、みたいな。
何が微妙だったかって、終盤にいくにつれて何をテーマにしたいのかがわからなくなってゆくところです。戸籍売買と現行制度の在り方への提言については、それこそさらっと流しているので社会派成分皆無だし、滝浪正樹を中心に据えた人情ものとしても、肝心な滝浪正樹本人の背景設定が殆ど描かれないのでもやもやします。そもそも盗聴器を買うお金はあるの?とか。
というか、この内容であれば最終的に彼女との関係がどう落ち着いたのかを見せないのはマズいでしょう。
宝石店強盗のトリックも、視聴者に推理させるだけの伏線を提示し切れていません。今回の場合だったら、予め宝石店周辺の詳細な位置関係を映すなり、カイトくんや右京さんがレターパックを利用する描写を事前に仕込んでおくくらいしてくれないとミステリ的には片手落ちです。
これらの各要素が物語内でまったく噛み合わず、なんとなく繋がっているだけの構成も頂けませんでした。
長年『どうぶつ奇想天外!』を視聴していたため、ゲストが晴彦くんだったのは地味に嬉しかったです。いちゲストとして終わるには勿体ないくらいのキャラ立ちで、初期『相棒』の若杉栄一のようなポジションで再登場させても面白そう。
女子高生三人組も一回で切って捨てるには惜しいですね。少女探偵団というか、ベイカー・ストリート・イレギュラーズ的立ち位置で彼女らメインのお話を作るのもアリっちゃアリかもしれません。
「うちらでも社会の役に立つんだ!」のとって付けた感は、思わず脚本しっかりしろと言いたくなる酷さでしたけれど。
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