2009.08/23 [Sun]
西尾維新『〆に最初』
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★★★☆☆
出版社的意見を言わせていただければ、
現実問題、アニメ化の文字を帯に躍らせれば、作品は売れます
受験勉強を終え、久し振りに書店のライトノベルコーナーを訪れた点描なことは、あまりにも変わってしまったその光景に驚愕する。平積みにされている本の帯、どれもこれもに「アニメ化決定」「アニメ放送中」という類の言葉が躍っているのだ。たかだか“原作”であることだけが本の価値なのか――?
昨今のメディアミックス化の流れに、点描なことが物申す!
『なこと写本』第5作。
『アニメ化物語 オフィシャルガイド』というばか高いだけで内容がないような最悪のコレクターズ・アイテムに所収の作品です。いつものことながらコレ、★の数は『〆に最初』という作品単体に関してなので、お間違いのないよう。て、Amazonで4800円とか元値の二倍じゃん。ありえん。
『化物語』のガイドブックなんだから『化物語』の短編を書くのかと思いきや、案の定『なこと写本』でした。一応、“アニメ化”ということをキーワードとして設定しているので、あながち無関係とはいえないのですが……。そんなわけで本の存在意義を問い掛ける『なこと写本』、今回は『化物語』のアニメ化に際して小説の映像化についてです。
会話の中で「いいアニメ」化という言葉が出てきますが、まったくその通りで、出来の悪いアニメの原作なんてわざわざ読みたいとは思いません。この作品、『化物語』を駄作なアニメにしたらどうなるかわかってるだろうな、という西尾維新の圧力みたいなものを感じますね。
ちなみに何度も言っていますが、個人的には新房×シャフトの組み合わせは鬼門なので、私自身は記念すべき維新ぼん原作でありながら『化物語』のアニメは見ていません(正確には1話だけ見た)。世間での評判は上々みたいですけど、あの実写表現とか関係ない小ネタとかが嫌いなんですよね。何が「スタッフでおいしくいただきました」だ――おっと、ついグチに。そうやって作品を蹂躙されているように感じてしまうのもまた、アニメ化の残念な点なのかもしれません。
しかし『なこと写本』、いつか短編集として出ないかしら。維新ぼんはシリーズものをおまけ短編として掲載すると、読み逃した人が残念な思いをするから、とちょとしたときのおまけには『なこと写本』を書くと明言していましたが、『なこと写本』は『なこと写本』で、かなりの傑作ですよ?
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