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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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伏見つかさ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない(11)』

俺の妹がこんなに可愛いわけがない(11) (電撃文庫)俺の妹がこんなに可愛いわけがない(11) (電撃文庫)
伏見 つかさ かんざき ひろ

アスキー・メディアワークス 2012-09-07
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★★★★☆
辛くても絶対に諦めない、
弱音をはかない人は、かっこいいし、凄いけど、そんなのちっとも幸せそうじゃないよ。
それにそんな生き方がきちんとできるのは、それこそ特別な人間だけだと思うな。
きょうちゃんは違うよね

「あの頃のあたし――お、お兄ちゃんっ子だったの」。引っ越し祝いパーティの場で交わされた“約束”を果たすため、田村家を訪れた俺と桐乃。話し合いは、やがてそれぞれの過去話になっていって……「仕方ないことなんかなぁ、この世に一個だってねーんだよ!」「学校に行ったら負けだと思っている」「その謎のペットボトルは……まさか……おまえ禁断の行為を……!」「『凄いお兄ちゃん』なんて、最初からいなかったんだよ」「そんなことで、お兄ちゃんを嫌いになるわけないじゃん」「だから。あたしは、あんたのことが嫌いになったんだよ」。兄妹冷戦の真相が、ついに明かされる。


「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」第11作。
 毎度、毎度、新刊が出る度にここで終わっちゃっても良いんじゃないか、と思わせてきた「俺妹」もついに完結一歩手前。巻末には次巻予告のプロローグまで収録されており、著者のコメントを見るに恐らくこれが今巻最大のサプライズだったのではないでしょうか。
 そんなわけで作中の言葉を引用するなら今回は「ネタばらし回」。桐乃と京介はどこですれ違ってしまったのか、なぜ桐乃が麻奈実のことを毛嫌いしているのかといった諸々の謎を、中学時代の京介のエピソードと共に一気に紐解きます。

 中学生までの京介は桐乃の自慢でもあって憧れで、そんな“なんでもできる凄いお兄ちゃん”がとある事件を切っ掛けに突然“折れて”しまった。その原因の一端が麻奈実であり、お兄ちゃん子だった桐乃は失墜し切った兄の無様な姿に心底失望し、羨望が憎しみに変わって第1巻冒頭へ至った、と。そういう経緯だったようです。
 今巻の物語で評価すべきなのはライトノベル主人公のテンプレたる“やれやれ系”主人公に肉付けと書き込みを行っている点です。今回明かされた過去編があったことで、ここまで描かれてきた京介の人物像に厚みと深みがぐっと増し、既刊を振り返った際に別の景色が見えてくるのは必定でしょう。桐乃や麻奈実にしても同様です。

 そして、流れとしては麻奈実ルートで確定と見て良さそうです。全体の大半を過去話に割き、さらには最終巻を控えて京介ハーレム全員告白態勢準備万端ということもあり、前巻ラストのあやせの告白が殆どないも同然にスルーされているので、あやせ推しの方々にはちょっと微妙だったかも。
 ただこれ、みんなで告白して京介は麻奈実を選ぶけど、結局は「それでもわたしが振り向かせて見せるわ!」的な準ハーレムエンドになりそうな感があるのが怖いんですよね。それってひとりを選んだ意味があるの?と思ってしまう。
 まあ、あとのことは伏見さんを信じるしかありません。最終巻、楽しみに待っておきます。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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