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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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アニメ総評:『ふたりはプリキュア』

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★★★★☆
私たちがずっとこのままなんて、ありえない
スポーツ万能、勉強嫌いで無鉄砲だけど人一倍正義感が強くクラスでも人気者の美墨なぎさ、成績優秀で常にクラスのトップだが、実は天然ボケの雪城ほのか、ふたりは同じベローネ学院女子中等部の2年生。なぎさとほのかはそれぞれ不思議な生き物メップルとミップルに出会う。邪悪なドツクゾーンがメップルたちの故郷・光の園を襲撃し、地球に逃れてきたのだった。そして、メップルとミップルによってなぎさとほのかは変身する能力を与えられ、戦うことに……。趣味も性格も違うふたりは力を合わせてドツクゾーンから送り込まれてくる邪悪な敵に立ち向かう!! 全49話。


「プリキュア」シリーズ 第1作。
 現在まで続いている「プリキュア」シリーズの元祖、キュアブラック=美墨なぎさとキュアホワイト=雪城ほのかが主人公のいわゆる初代プリキュアです。当時は白と黒のカラーリング、徒手空拳で戦う魔法少女モノ(製作側は「プリキュア」は魔法少女ではないと言っていますが)という設定がとにかく話題になったそうで、4年間続き、その後もOVAが作られた『おジャ魔女どれみ』の後継として引けを取らない人気番組となりました。
 ちなみに、私が初めて観た「プリキュア」は『プリキュアオールスターズDX みんなともだちっ☆奇跡の全員大集合!』で、プリキュア歴たった3年のペーペーです。

 『プリキュア』最大の特色は、やはり人と人の繋がりを丁寧に描くことにあると思います。プリキュアに変身する主人公たち当人に限らず、家族のこと、クラスメイトのことまで掘り下げてみせるのは『おジャ魔女どれみ』からの伝統といえるかもしれません。
 後のシリーズではプリキュア変身者の人数が増えた都合からか、作品によってはないがしろにされがちなこの要素ですが、さすがはすべての大元となる無印だけあって、本作ではしっかりと描写されています。
 中でも、伝説と呼ばれる第8話「プリキュア解散! ぶっちゃけ早すぎ!?」は白眉。たまたま騒動に巻き込まれて成り行き上プリキュアとなった殆ど話したこともないようなクラスメイト同士が、ささいなことで喧嘩をして、そこから互いのことをどう思っているのか、どうありたいのかを見つめ直すというストーリーなのですが、ここで初めて「美墨さん」から「なぎさ」、「雪城さん」から「ほのか」へと呼び方が変わるわけです。この仲直りのシーンのほのかがミラクル可愛い!――のは措いといて。こうした細かな人間関係の変化していく過程がきっちりと描かれているのです。

 ただなんとなく一緒にいるから友達だとか、彼はツッコミ役で彼女は押し掛け女房で、みたいなキャラ付けに役割分担はアニメやマンガでは割とやってしまいがちな処理です。その結果、たとえば『仮面ライダーフォーゼ』などではキャラ配置だけが設定されているのみで、終わってみると「人間が描けてない」問題にぶち当たってしまう。
 でも、本当はそうじゃないんです。人間はいきなり親友になったりはしないし、AさんとBさんとCさんがいたら、彼らの関係性が皆均一ということはありえない(なぎさ風に)。AさんからBさんへのベクトルと、CさんからBさんへのベクトルは違うもののハズなのです。そして、だからこそドラマが生まれる。そうしたところを拘って描き分けているのが「プリキュア」だと思うんですね。
 キャラクターの魅力もさることながら、私が「プリキュア」に惹かれるいちばんの理由はそこにあります。まったく、プリキュアは最高だぜ!


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

当ブログはリンクフリーです。
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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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