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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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高里椎奈『騎士の系譜 フェンネル大陸 偽王伝』

騎士の系譜  フェンネル大陸偽王伝 (講談社ノベルス)騎士の系譜 フェンネル大陸偽王伝 (講談社ノベルス)
高里 椎奈

講談社 2004-12-07
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★★★☆☆
子供。王とは何だ?
愛する兄の裏切り、投獄、国外追放――悲しき過去を持つ13歳の王女・フェンベルクはソルド王国にたどり着き、騎士見習いの少年・ロカと出会った。親友になった2人はある日、国立蔵書館へ。だがそこで国を揺るがすある計画を偶然耳にしてしまい、2人は命を狙われることに!高里椎奈の王道ファンタジー第2弾!


『フェンネル大陸 偽王伝』第2作。
 しばらくミステリは良いわ、という気分に駆られ、無性にファンタジーを読みたくなったので続きを買ってきました。自分の思うファンタジーは、どこか異国や別の世界が舞台の、旅の物語です。この『フェンネル大陸 偽王伝』はまさに、どんぴしゃなわけです。

 さて。前巻で立ち直ることが出来たフェンは、テオと共に世界を巡る旅に出たようで、今回の事件は王が民を守り、民が王を支え、騎士が王を護るソルドという一見平和なように思える王国で起きた叛乱です。誰が悪で、誰が本当に王のことを想って行動しているのか?そこらへんのひっくり返し方が、さすがは高里!伊達にメフィスト賞作家じゃないな、という感じ(失礼

 歴史や価値観は勝者=上の者が創るもの、一般民衆はそのことに気付かずに、ただ与えられた「事実」のみを絶対的事実として捉え、それを疑うこともなく日々を過ごしている――というのは、前作のフェン投獄やグールの一件でもわかったことですが、今回もフェンのいた国での言語が実はとうに使われていない古代の言葉であったとか、ソルドで歴史上の伝説として扱われていたイリスが、かつての政紛で王国側の裏切りにあって処されていたなど、「常識」と「真実」が実は異なっていたという事実が次々と明かされ、これらの「常識」と「真実」の関係こそが、『フェンネル大陸 偽王伝』という作品のひとつの特徴かもしれません。グールが“南海の魔獣”と呼ばれ、ソルドでも熊や豹などと同列の存在だと思われているという描写も興味深いです。

 また、『指輪物語』のような典型的な中世(?)ファンタジーっぽい国が描かれた前巻とは異なり、今回のソルドは大学があって学生の交換留学があったり、本は本でも大岩のことを指してしたりと、まったく別の世界の物語のよう。国が違えばこうまで違うのか、と。高里椎奈の想像力――というか創造力に惚れました。

 そして今巻ラストからが本当の旅の始まりのようで。新しい仲間アシュレイを加え、別ルートのサチといつ出逢うことになるのか、など続きが気になる展開で終わってしまいました。
次、次!


おまけ。
テオとフェンの関係が面白いので、このふたりの関係が今後どう変わっていくのかも見ものです。



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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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