2012.09/14 [Fri]
映画『パーフェクト・ストレンジャー』
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★★☆☆☆
議員のスクープを握りつぶされて会社を辞めた元新聞記者のロウィーナ。彼女はある夜、幼馴染のグレースから広告業界の大物ハリソン・ヒルの不倫スキャンダルの話を聞いた。その数日後、グレースは変死体となって発見されてしまう。死の真相がハリソンの口封じではないかと疑ったロウィーナは、大スクープを得るべく独自の調査を開始。元同僚のマイルズの力を借り、偽名でハリソンの会社にもぐりこむことに成功するが……。 (2007年 アメリカ)
地上波で放送があったので視聴。
まずはこの映画、公開時に付けられたキャッチコピーが「ラスト7分11秒。あなたは絶対騙される。」ということで。まあ、その時点で大方の真相に気付いてしまうというか、動機もかなり露骨に匂わされていることもあってそれ以外にありえないだろう、と。事実、予想通りのオチでした。
このところ、本屋さんで平積みされているミステリ小説のオビを見ると、「必ず二度読みたくなる!」「驚愕の結末」「絶対に騙される」といったフレーズが躍っている作品の多いこと多いこと。年末のランキング本でも明らかにそっち系の作品が過大評価を受けているし、とりあえず叙述トリック(販売元がネタを割っているのだから、いまさら隠す必要もないですよね?)をぶち込んでおけば神!みたいな昨今の風潮は、売り手にしても読み手にしてもちょっとどうかと思います。
そもそも叙述ってあくまでも補助技じゃないですか。基本的には一点突破の飛び道具であり、それこそびっくり箱的なサプライズでしかない。暗闇で「わ!」と驚かされるようなものです。
なので、叙述のみに頼った作品は、隠されているものがわかってしまった瞬間に、急速に面白味を失くしてしまう。不意打ちだからこそ効果を発揮するのに、仕掛ける側(この場合は配給元ですが)からネタをバラしてどうするよ?
それで、お話がよく出来ていればまだ救いがあるのですが、主人公をめぐる人間関係は極限に気持ち悪いわ、犯人は“殺人は癖になる”系の自己中だわ、でまったくもって魅力がない。
しかも、そのどんでん返しにしても高度なテクニックの賜物ではなく、ただ描写していないだけ。そんなものは誰だってできるんだってば。「とりあえず叙述トリックぶち込んでおけばおまえら満足でしょ?」的なナメきった精神で作られた手抜き映画です。
かろうじて唯一のみどころはハル・ベリーが美人なことくらいでした。可愛さならジェシカ・アルバ、美人さならハル・ベリーという、ごくごく私的な好みの問題なのですが。
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