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積読本は積読け!!

300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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碇卯人『杉下右京の冒険』

杉下右京の冒険杉下右京の冒険
碇 卯人

朝日新聞出版 2012-03-07
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★★★☆☆
ええ、これも日本にいる相棒に調べて貰いました。
釣り人が溺れ死んだという情報を得て、三宅島に降り立った右京。美しい海に囲まれた島では火力ガスが放出され続け、人々の暮らしを圧迫していた。遺体にもガス中毒の症状があらわれていたが、右京は事件を疑う。謎を解く鍵は三宅島から南へ18キロ離れた御蔵島にあると考え……(『紺碧の墓標』)。いつもの雑用で韓国に向かった右京は、ひょんなことからUFO目撃談の謎解きを手伝うことになる。その冬、韓国では鳥インフルエンザが流行中で、養鶏場が次々と閉鎖されていた。野鳥の死骸が大量に見つかったことに疑問を抱いた右京は、背後にある企みに気づき……(『野鳥とUFO』)。


ドラマ『相棒』のオリジナルノベライズ第2作。
 『相棒』の右京さんを探偵役としてフィーチャーした『杉下右京の事件簿』の評判が良かったのか、第2弾が発売。今回もノベライズを手掛けているのはミステリ作家の鳥飼否宇です。
 全2編から成る中編集でそれぞれ時系列は、「紺碧の墓標」が Season 7 の薫ちゃん卒業以降から神戸君着任以前、「野鳥とUFO」はそれ以後~Season 10 最終話よりは前。後者は神戸君が風邪で休んでいる間らしいのでSeason 8 の「右京、風邪をひく」の直後あたりが有力でしょうか。

 いかにも本格ミステリな大掛かり且つ虚構性の高いトリックを用いた第1話に、本編さながらにちょっと社会派テイストの混じった1時間ドラマらしい第2話。話毎で微妙にテイストが異なるのも、実によく『相棒』しています。
 孤島モノは前々から『相棒』で観てみたかった題材だけに、三宅島を舞台にして孤島ならではの不可能状況を殺人事件に取り入れた「紺碧の墓標」は嬉しかったですね。独立した2つの物語を緩く橋渡しする描写も入っており、きちんと“1冊の小説”になっているところも良かったです。
 前作同様、ミステリとしては比較的易しめですが、神戸君と右京さんのやりとりもあったりして、『相棒』ファンであれば充分に楽しめる読みものに仕上がっています。


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

当ブログはリンクフリーです。
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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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