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300冊の積読本もなんのその、本や映画の感想などをつらつらと述べてみたり。

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はやみねかおる『名探偵VS.学校の七不思議 -名探偵夢水清志郎の事件簿 2-』

名探偵夢水清志郎の事件簿2 名探偵VS.学校の七不思議 (講談社青い鳥文庫)名探偵夢水清志郎の事件簿2 名探偵VS.学校の七不思議 (講談社青い鳥文庫)
はやみね かおる 佐藤 友生

講談社 2012-08-10
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★★★★☆
だったら、それでいいじゃないか。自分が傷つくのをこわがっていたら、事件は解決しないよ。
「黄泉の国につながる井戸」「図書室にある呪いの古文書」……。よくある学校の七不思議。だが、武蔵虹北小学校の七不思議には、七つめがなかった! 七つめがそろったとき、人は学校に囚われるというが…!? 名探偵夢水清志郎と伊緒、ルイは、夜の学校で、クラスメイトたちと七不思議に挑戦するが、そこには、七不思議を超えた、さらなる不思議とどんでん返しが待っていた!


「夢水清志郎の事件簿」第2作。
 「夢水」シリーズ 2nd season の2作目は、期せずして 1st season の2作目『亡霊は夜歩く』と同じく学校の怪談がテーマ。学校が舞台となったことで、今後レギュラーになって物語を引っ張っていくであろう濃ゆいキャラクターたちが初お目見えするのも同様です。
 タクロー、イルカ、お局様という新キャラ勢に、語り部を務める伊緒、いつもどおりの教授と主張したいだけ主張する人たちがこれでもかと登場するため、そのぶん大人しいルイが埋もれてしまった感アリ。仮にもメインキャラなのだし、もうちょっと動かしてあげても良かったように思います。

 その一方で教授の存在感はシリーズ随一です。今回の事件を通して伊緒は大きく傷つくことになるのですが、そんな彼女を諭し、支えてあげる教授の姿が本当に頼もしい。教授の忘れっぽさはなるべくしてなったものなんじゃないかとさえ感じさせ、サングラスの奥に秘められた名探偵としての強さと淋しさを窺わせます。
 記述者であり、ワトスン役だった亜衣とはまた違う、“名探偵”を志す伊緒だったからこそ描けるもの。伊緒が教授に導かれてゆく物語。1st season との大きな違いはずばりそこではないでしょうか。

 七不思議の謎についてはそれなりの解答で目を見張るほどではないものの、「黄泉の国につながる井戸」には油断していました。まさか児童向けでこのネタを持ってくるとは。基本といえば基本ですが、“誰もがまず最初に考える可能性”の存在によって注意のベクトルを正反対に逸らされるているだけに、種明かしされたときのインパクトは大きいです。これぞ本格、とニヤリとさせられること請け合い。


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プロフィール

はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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1.トリプルプレイ助悪郎(2007年刊)   2.名探偵に薔薇を(1998年刊)             3.化物語(2006年刊)          4.時砂の王(2007年刊)                  5.天帝の愛でたまう孤島(2007年)

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