2012.08/14 [Tue]
映画『ピラニア3D』
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★★★★☆
それ以上近付いてきたら、キミの股間におしおきよ! わかった?
アメリカ南西部、ビクトリア湖畔では春シーズン恒例のイベントで盛り上がっていた。ビキニ姿の女性と、彼女たちを取り巻く男たちはすっかり興奮状態。そんな時、湖底で大規模な地割れが発生し、その裂け目から何千匹ものピラニアが湧き出してきた。それは、200万年前に絶滅したはずの、凶暴な太古のピラニアだった。何も知らない若者たちは、その飢えたモンスターたちに、ひとり、またひとり餌食になっていく……。 (2010年 アメリカ)
暑い夏こそ震えたい! 真夏のモンスター・パニック特集!!
――というわけで、『ピラニア 3D』を借りてきました。『アバター』で世の中に3D映画を浸透させたジェームズ・キャメロンをして「こういう低俗な映画が3D映画をダメにする」と言わしめた問題作です。
まぁ、この映画自体がキャメロンのデビュー作『殺人魚フライングキラー』のシリーズ前作に当たる『ピラニア』(1978年公開)をリメイクしたものだったりするわけですが。キャメロン監督的には黒歴史らしいです。
話の筋は至って単純で、夏休みでハメを外したリア充DQN学生たちが湖でおっぱい祭を開催していたところ、蘇った絶滅種のピラニアに襲われてしまうモンスター・パニックの黄金パターン。なんといっても、公開時のウリが飛び出すおっぱい、飛び散る肉片ですからね。わが家は3D環境にないので残念ながら2Dでの鑑賞でしたが、祭で開催されるイベントの内容が舞台の上で踊る女の子たちに水を掛けてTシャツを透けさせるというくだらなさな上、司会者のセリフが「俺が『おーっ』と言ったら、みんなで『ぱーい』と言ってくれ!」という突き抜け切ったバカバカしさだもの。そりゃあ、低俗と言われても仕方ないわな。
おまけにこれが結構グロい。スクリューに髪の毛を巻き込まれた女の子の顔の皮が剥がれるわ、ピラニアに襲われた人を海から引き揚げてみたら下半身がなくなって内臓が飛び出てるわ、骨も丸見え、目玉やアソコも喰いちぎられるというムゴさで、ピラニアの襲撃場面は文字どおり血の海。真夏の空の下に阿鼻叫喚の地獄絵図が広がります。
全体を通して描写が相当痛々しいため、スプラッター耐性のない人はまず避けるのが吉ですが、逆にモンスター・パニックが好きという人には是非観て頂きたい。この手のジャンルは期待をスカされる映画が多い中、本作は何をどう見せるのか、どうやって観客を楽しませるのかを完璧に心得ているので、観終わった後にかなりの満足感が得られるハズです。
そして実はこの作品、もうひとつ注目ポイントがありまして、吹き替え版の声優陣がとにかく豪華なのです。主役のジェイクに櫻井孝宏、ヒロイン役が坂本真綾、その他にも小山力也、三石琴乃、白石涼子、田村ゆかり、釘宮理恵というアニメの第一線で活躍している錚々たる顔ぶれに加え、何故だか出川哲朗まで参戦しています。小山さんや真綾さんあたりは洋画でもわりと見掛けますが、ゆかりん(残念ながらショタだったけど!)が吹き替えを当てているのなんて相当レアですよ。
驚いたのはうりょっちで、アニメで聴いていると大仰な演技で若干浮いているような気がしなくもなかったのですが、吹き替えにするとすごく合っている。アニメよりも向いてるんじゃないかと思ったくらいです。
しかも吹き替えスタッフがハメを外しすぎたのか、三石さんは中の人ネタで『セーラームーン』のセリフをパロったセリフをぶち込んでくるし、出川の「痛い、リアルに痛い……」とか完全にザリガニに挟まれるときのアレじゃないですか!!
主人公の愛称が地元民だから“ジモティー”とかね。もうこれ、スタッフ遊びすぎでしょ! でも、この無国籍風な翻案って、それこそ『殺人魚フライングキラー』と同じノリなんですよね。日本語版までわかりすぎています。でも、釘宮ボイスで「おっぱい」連呼させたのは許さない。こらっ、確信犯だろ!
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