2012.08/09 [Thu]
ジュード・ワトソン『スター・ウォーズ ジェダイ・クエスト(7) 真実の瞬間』
![]() | [ジェダイ・クエスト-7] 真実の瞬間 (LUCAS BOOKS) ジュード・ワトソン 西村和子 オークラ出版 2008-04-25 売り上げランキング : 474136 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★☆☆
どうしてぼくが選ばれなけりゃいけなかったんです?
なぜぼくなんだ? ぼくにはいやだといえないんですか?
マスターの力で、ぼくにいやだといわせてもらえないんですか? ぼくを解放してもらえないんですか?
ヤドルの死から立ち直れず、師のオビ=ワン・ケノービとの心の距離はますます開くなか、アナキン・スカイウォーカーは新たな任務へとかりだされた。敵星からの侵略に対する監視前哨基地の隊員たちを救うために、雪と氷に閉ざされた衛星へ向かったのだ。しかし、隊員の中にいた裏切り者のせいで捕虜になったアナキンは、収容所でなぞの医療処置の被験者となってしまう。アナキンを助けようとするオビ=ワンだが、ゆくてに待ち受けるのは困難な道のりだった!
「ジェダイ・クエスト」第7作。
『指導者学校の秘密』から続いたオビ=ワンとアナキンのすれ違いもようやくの決着です。クワイ=ガンに見い出されながらも、最終的にあまり関わりのない弟子の方に師事することになったアナキン。予期せぬタイミングで突然自立せざるを得なくなり、以後マスターの遺志を継いでがむしゃらにやってきたオビ=ワン。それぞれ、目の前に突き付けられた状況を受け入れようと必死に努めてきたふたりですが、そもそもそんな関係性でムリの生じないハズがなかったのです。
雨降って地固まるではないですが、一度、本気でぶつかって、本音で言い争って。いまの状態をぶち壊して、というのはアナキンとオビ=ワンが正真正銘の師弟となる上ではどうしても避けられないステップだったんですね。
今巻の物語は映画『EP2』でも「オビ=ワンがガンダークの巣に落ちた」話として言及されています。ここ数巻で描かれた師弟崩壊の危機は、アナキンの修行生時代の中でも恐らく最もどん底だった時期だろうに、それを冗談のネタにできてしまうあたりに、ふたりの絆の強さが窺い知れるというものです。
『EP3』にちらっと登場する青いミレニアム・ファルコンのエピソードを始め、こうした細かいネタを拾って拡がっていくのもSW小説の面白さ。ひとつ繋がりがわかると、また次を読みたくなる。ほんと、上手い商売ですよ。
で、アナキンを妙な実験に誘い込んだザン・アーバーが、これまた「Jedi Apprentice」の登場人物であると。「ラスト・オブ・ジェダイ」と「ジェダイ・クエスト」がそれなりに売れていれば、オークラ出版から「Jedi Apprentice」が訳されることも或いはあったのかなぁ、と考えるとやるせないです。いまからでも売れろ!
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