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映画『プレデターズ』

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★★★☆☆
地球から遠く離れた未知の惑星――傭兵のロイスは、どこともわからぬジャングルに向かって落下していた。目を覚ますとそこには、同じように“気がつけば落下していた”という人々が集まり、彼らはそれぞれ異なる戦術を兼ね備えた最強の殺し屋たちだった。その顔ぶれは傭兵、死刑囚、特殊工作員とさまざまだが、なぜ今ここに自分がいるのかを理解出来ない戦闘のエリートたち。しかし実は彼ら自身が、その地球外生命体=プレデターの獲物であり、“一員”だったのだ……。 (2010年 アメリカ)


「プレデター」シリーズ 第3作。
 既に超メジャー級のキャラクターとしての地位を確立しているプレデターですが、クロスオーバーである「AVP」シリーズを除くと、意外にも単体ではこれまで『プレデター』と『プレデター2』の2本しか存在しなかったりします。ということで久々のプレデター単独映画となる本作は、劇中に無印版とのリンクを匂わせる台詞を挿入しつつ、『2』とは別の方向性での続編として制作されたそうです。

 それだけにプレデターのキャラクターもあくまでも第1作に忠実な狩人タイプ。地球から連れてきた戦闘のエキスパートたちを猟犬で狩り出し、罠を仕掛け、無慈悲に葬り去る。『2』以降の作品で見られるような妊婦は襲わない、勇気ある者を認め、共闘するといった紳士的なキャラ付けは一切スポイルされています。
 確かに、そうした設定を付加したことでプレデターはその他大勢の異星人種族と差別化することに成功しました。しかし、騎士道路線を打ち出したことによって、プレデターそのものに人格が生まれてしまい、モンスター・パニックものとしての得体の知れなさを殺してしまったのも事実なのです。
 私自身、第1作目とそれ以後の作品で描かれるプレデター像の違いに納得がいっていなかったクチなので、この原点回帰は嬉しかったです。これでこそプレデター、これでこそモンスター・パニックでしょう。

 また、今回は人間側もその道のプロ揃いということで、遮蔽装置を奪って10シーズン生き残った男が出てきたり、総じてかなり悪どい手段を用いたりもして、一筋縄ではいきません。特に先生の役回りが外道すぎる上、その決着の仕方もかなり残忍というか。元より仲間ではない成り行きの集まりだけあって、相当に非人道的な作戦を平気でやってしまう。タイトルの『プレデターズ』は旧型プレデターと新種のプレデターという意味も勿論ありますが、それ以上に人間が“プレデター”として扱われているんですね。このあたりは感情理解の問題も含めて、結構好き嫌いが出てきそう。
 逆に、死刑囚の彼や日本代表のヤクザなんかは輝いています。ジャパニーズ・サムライと化したヤクザと一対一の刀剣勝負に応じるあたりで、さり気なくプレデターの仁義を描いてみせるところなんかは、原点回帰を目指しつつも多くのファンをないがしろにしないよう極力配慮していることが窺えます。

 ただ、まあ。結局のところ面白いモンスター・パニック以上の何ものでもないので、あまり過度な期待はせずに観るのが吉です。
 ちなみに時系列的には『プレデター』→本作→『プレデター2』→『AVP 1~2』→『プロメテウス』→『エイリアン1~4』となっている模様。別々の作品が同じ世界観を共有している設定って良いですよね。



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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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