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三上延『ビブリア古書堂の事件手帖(3) ~栞子さんと消えない絆~』

ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)ビブリア古書堂の事件手帖3 ~栞子さんと消えない絆~ (メディアワークス文庫)
三上 延

アスキー・メディアワークス 2012-06-21
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★★★☆☆
万が一、あいつらに弱みを握られたら、ろくな目に遭わん……俺からの忠告だ
鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに似合わず様々な客が訪れる。すっかり常連の賑やかなあの人や、困惑するような珍客も。人々は懐かしい本に想いを込める。それらは予期せぬ人と人の絆を表出させることも。美しき女店主は頁をめくるように、古書に秘められたその「言葉」を読みとっていく。彼女と無骨な青年店員が、その妙なる絆を目の当たりにしたとき思うのは?


「ビブリア古書堂の事件手帖」第3作。
 昨年は島田荘司監修『本格ミステリー・ワールド2012』の「黄金の本格ミステリー」に選出されるなど、本格界隈からの注目度も高いシリーズの最新刊。
 日常の謎モノとしては安定のクオリティで、第一話「ロバート・F・ヤング『たんぽぽ娘』(集英社文庫)」はワトスン役の手記形式というミステリではお馴染みのフォーマットが目眩ましとして機能しており、何が起こっているのかを簡単には気付かせない巧妙さがあります。第三話「宮澤賢冶『春と修羅』(關根書店)」も伏線の張り方が上手く、真相が示された際に気付きの爽快感を味わえるハズです。

 その一方、著者の三上さん自身がミステリ畑の作家ではないかせいか、推理自体には直接影響しないので後出しとまでは言いませんが、一部の情報が解決編になって初めて明かされるケースがあるのと、古書を扱う小説の宿命で題材となっている作品を知っているのといないのとでは、読者が謎解きを行う上で若干の有利不利を生じてしまう感があるのが瑕です。
 また、これはライトノベル的な書き方なのかもしれませんが、全編が独立したミステリ短編というよりも、栞子さんの母親の謎をメインに据えた長編作品の1巻ぶんという印象が拭えないため、どうしても小粒に映ってしまうのが作品的にはネックな部分かもしれません。
 各章のつながりをもう少し緩くあげても良い気がします。

 今巻のサブタイトルはいかにも最終巻っぽいですけど、シリーズ自体はまだまだ続く模様。せっかく大ベストセラーにまで成長したコンテンツですし、本書がきっかけで再発掘される作品も出てきている現状を見るに、ノイタミナでのアニメ化か読者ハガキで再三煽っているドラマ化のいずれかがあるまでは、当分終わらないですよね?


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Comment

NoTitle 

相変わらず伏線回収が上手ですね。
爽快でコミカルな部分もあるので、読後に得られる満足感と安心感は格別です。
トラックバックさせていただきました。
トラックバックお待ちしていますね。
  • posted by 藍色 
  • URL 
  • 2014.10/17 14:41分 
  • [Edit]
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ありがとうございます。トラックバック返させて頂きました。
  • posted by はろーすみす 
  • URL 
  • 2014.12/29 15:03分 
  • [Edit]
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「ビブリア古書堂の事件手帖3栞子さんと消えない絆」三上延

鎌倉の片隅にあるビブリア古書堂は、その佇まいに似合わず様々な客が訪れる。すっかり常連の賑やかなあの人や、困惑するような珍客も。人々は懐かしい本に想いを込める。それらは予期せぬ人と人の絆を表出させることも。美しき女店主は頁をめくるように、古書に秘められたその「言葉」を読みとっていく。彼女と無骨な青年店員が、その妙なる絆を目の当たりにしたとき思うのは?絆はとても近いところにもあるのかもしれない―...

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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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