2012.07/15 [Sun]
ジュード・ワトソン『スター・ウォーズ ジェダイ・クエスト(5) 指導者学校の秘密』
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★★★★☆
おまえはわたしを、いやジェダイ騎士団全体をその勝手な行動で裏切ったのだ。
おまえにそれがわからないのが、わたしには悪夢だ。いちばんこたえる
アナキン・スカイウォーカーとライバルのフェラス・オリンは、アンダラ星にある指導者学校から消えた生徒を捜すために、その学校で潜入捜査をすることになった。消えたのは元老院議員の息子ギラムで、彼は政治紛争のせいで誘拐されたかもしれないのだ。そして、その学校には秘密の傭兵部隊の存在がうわさされており、アナキンとフェラスは同時にふたつの捜査を進めなければならない。マスターであるオビ=ワン・ケノービはコルサントに残り、グランタ・オメガの過去を知るサノ・ソウロに近づくが……。
「ジェダイ・クエスト」第5作。
『ダース・プレイガス』の邦訳を待ちながら積読ぶんのSW本消化。シリーズも半分を迎え、いよいよ表面化するオビ=ワンとアナキンの考え方の違い。映画にしろ小説にしろ、『クローン・ウォーズ』以外のアナキンは絶望的なまでの身勝手さでオビ=ワンも常々頭を悩ませていましたが、ここにきてついに堪忍袋の緒が切れます。
なんでもかんでも「終わり良ければすべて良し」の精神で調子良く謝って済まそうとするアナキンに対してオビ=ワンが一喝する場面は、読んでいる側からすれば、言ってやった!言ってやった!という気分です。
そりゃあ、フェラスの安否が不明なままなのに自分のやりたいことを優先して、さらにそのやりたいことが内政干渉――というよりも直接、戦争の引き鉄となるような危険行為なんだもの。どんなに言い訳しても、どんなにそれらしい理由をつけても、とても許される行為ではありません。
もし仮に消息を絶ったのが親友のトゥルーだとしたら、アナキンは確実に捜索へ行っていただろうことを考えるとやっぱりねぇ……。解説で修行生時代のオビ=ワンもかつてオーダーの意思に背いて自分の信じる正義のために戦ったと述べられていますが、似たようなシチュエーションでもアナキンの場合はすべて慢心によるものであるというところが救いようのない。よくもまあ、ここまで魅力のないキャラクターを主人公にできたよなぁ、と。早く『クローン・ウォーズ』のノベライズシリーズを出して挽回して!(←結局それが言いたい)
今回の表紙はオビ=ワン、アナキンとシーリ、フェラスのダブル師弟コンビ。 『ボバ・フェット(1)』などにも登場するシーリは、邦訳作品では本書が唯一のヴィジュアル化。実はこの巻のカバーイラスト、既存のスピンオフ小説の中では最も気に入っていたりします。
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