2012.07/09 [Mon]
映画『トイ・ストーリー3』
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★★★★☆
アンディはおれたちを大事に取っておくさ、絶対だって
カウボーイ人形のウッディと仲間たちは、大好きなアンディとの別れが近づいたある日、手違いで保育園に寄付されてしまう。「もう一度子供と遊べる!」とはしゃぐバズたち。だがそこは、おもちゃを破壊しまくる凶暴な幼児たちが集まる、おもちゃにとっての地獄だったのだ……。 (2010年 アメリカ)
「トイ・ストーリー」第3作。
地上波で放送があったので視聴。ピクサー作品は基本的に守備範囲外ですが、「トイ・ストーリー」は直撃世代なこともあって最終作とあっては観逃せません。自分が『トイ・ストーリー』を初めて観たのが小学校の低学年で、それこそアンディの辿ってきた道がよくわかる。密やかに大切にしていた思い出の詰まったポケモンカード千数百枚を、母親が「もういらないでしょ」と決めつけて断りもなく近所の子供にあげてしまったときのショックが蘇ります。別段、いまの自分に必要とか必要じゃないとか、そういうことではないんですよ。それが手元にあることが重要なんです。
まあおもちゃということに限れば、“卒業できていない”特ヲタである私は未だにフィギュアとか買ってしまうわけですけど、それでも昔遊んでいた鬼太郎(第4期)の食玩なんかも未だに箱にしまってありますしね。
しかし、成長するにつれて過去の物と化すおもちゃとの決別は不可避なことであり、大人になるためのひとつの儀式でもあるわけです。だから本作ではアンディがウッディを手放すかどうかの選択を迫られ、ああした結果へと至る。17歳のアンディがまるで子供に還ったようにウッディで遊ぶラストは、それはもう涙がちょちょ切れる想いで観ていました。
ところで、本作を語る上では、やはりどうしても前年に日本で公開されている映画『フレッシュプリキュア! おもちゃの国は秘密がいっぱい!?』との類似性を指摘しなければならないでしょう。成長に伴って訪れるおもちゃとの別れ、棄てられたおもちゃの辿り着くところ、作品のテーマからストーリーラインまでふたつの作品は相当似通っています。
そんな中、最も異なっているのが敵役の処遇です。『プリキュア』のトイマジンは未来の子供たちに希望を託すことで本作のウッディたちと同様の結末を迎える一方、『トイ・ストーリー3』のロッツォは改心の機会があったにも関わらず、最後まで憎たらしい悪役を貫き通します。そして、そんな悪役には悪役らしいラストが待っている。
ロッツォにもロッツォの事情があったのだし、それを救う形で物語に決着をつけるべきだと思うのですが、この映画ではそうはなっていない。主人公であるウッディやバズはハッピーエンドなのに、一度道を踏み外してしまったロッツォにはとことん厳しい。この単純化された清々しいまでの勧善懲悪がいかにもアメリカ的で、ちょっと納得できない部分でした。
ちなみに。似たような内容の2作品ではありますが、『トイ・ストーリー3』はかつておもちゃで遊んでいた大人たちに向けて、『プリキュア』はいまおもちゃで遊んでいる子供たちに向けて作られているような印象です。
小さいときに映画『フレッシュプリキュア!』を観てその物語を心に刻んだ子供たちが、将来大きくなって改めて『トイ・ストーリー3』を観たらどう感じるのだろう、なんてことを思わず考えてしまいます。
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