2009.08/10 [Mon]
はやみねかおる『復活!! 虹北学園文芸部』
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★★★☆☆
小説を書こうって人間に“ふつう”なんてことばが通用するわけないでしょ!
「つまり、虹北学園に文芸部はないってこと?」「だから、さっきからそういってるじゃない!」めんどうくさそうな葵のことば。数秒後、すべてを理解したわたしは、さけび声をあげていた。……そりゃないよ、セニョール。小説家になりたい人も、そうでない人も必読の熱血文芸部物語!
「夢水清志郎事件ノート」スピンオフ――って扱いで良いんだよね?
主役は「夢水」の岩崎三姉妹の従姉妹の岩崎マインちゃん。I・My・Me……ときて、ついにMineの登場です。まぁそこらへんのネーミングについては磨韻(←漢字だとこうらしい)がハーフというところでギリギリセーフな感じに抑えられているけれど。
で、舞台はお馴染み虹北学園なんだけど、亜衣たちが卒業してから既に何年も経過していて、文芸部は部員不足で廃部(これは『卒業』のあとがきで明かされてますね)、部活動の在り方も変わっていて、新部活の立ち上げにはメンバーが5人必要ということになっています。そこで、亜衣に憧れるマインが文芸部復活のために部員集めに奔走するというのが本作のストーリー。ミステリ要素の微塵もない、はやみね曰く熱血ブン根(文化系根性)ものらしいです。
全体としてはひとり目の紗弥加に時間を掛け過ぎて、他のメンバーはとんとんとんと割とあっさり決まっていったかなぁと。そこまでブン根かと訊かれれば、そうでもないかもしれないですね。障害が大きくないというのがいちばんの理由かもしれません。やっぱりスポ根の基本は障害と逆境からいかにして這い上がるか、だと思うので。
紗弥加との「100mレース」にしても、紗弥加が余裕すぎてカタルシスに欠けましたし。
そういった意味では今後――があるかどうかはわかりませんが、BBCに『それわた』を引っ提げて参戦するマインたち。他行のライバルとの文芸バトルみたいな展開が出てくると、燃えるかな、と。
状況に応じてフォントが変わったりする趣向は良かったです。『ジュブナイル』のノベライズを思い出しますね。
小ネタとして『虹北恭助の冒険』でも舞台となったお好み焼き屋さん『一福』が触れられたことと、虹北学園界隈をうろつく老犬『ポチ』がまだ生きていたことの2点くらいか。
そういえば『虹北恭助』の響子ちゃんって中学は虹北学園に通ってたんだっけ?あんまり学校の話題は出なかったけど、中学編。そうすると時系列的にはどうなるんだろう?
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