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ドラマ総評:『非公認戦隊アキバレンジャー』

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マニアの集う電脳とサブカルチャーの街“秋葉原"に悪の手が忍び寄る―<邪団法人ステマ乙>が秋葉原を別の街へと作り変えてしまおうと企んでいるのだ。だが、その前に3人組の戦士が立ちはだかる。その名は“非公認戦隊アキバレンジャー"。秋葉原の平和を守るため、そして“公認"と呼ばれるスーパー戦隊シリーズの一員となるために、“妄想力"を武器に彼らの戦いがはじまる! 全13話。


 前クールは『鍵のかかった部屋』だとか『都市伝説の女』も観たかったのですが、いつの間にか第1話を見逃してしまってそのまんまというパターンが何回かありまして。結局、きちんと見切ったドラマがこれ1本でした。
 私は特オタではありますが最近の「スーパー戦隊」シリーズはそこまで観ていなくて、最後の全話チェックしていたのが2007年の『ゲキレンジャー』で、その後は『ゴーカイジャー』で気になるレジェンド回をなぞった程度です。が、本作はそんな自分でさえも夢中にさせてくれるほどの魅力が溢れています。間違いなく、日本特撮史に残る傑作といって良いでしょう。

 ひとつのジャンルが成熟してくると、必ずその中に“お約束”が生まれてきます。それがたとえばミステリでは吹雪の山荘であり、モンスター・パニックではお祭りの開催だったりするわけですが、本作『アキバレンジャー』もその類に漏れず、「スーパー戦隊」35周年の歴史によって培われた“お約束”をパロディ化し、そこにネットスラングやサブカルネタをぶち込んでメタ的なアプローチを試みた番組になっています。
 主人公の赤木信夫は秋葉原の街に生きる戦隊オタクで、格闘女子高生・青柳美月、コスプレイヤーの萌黄ゆめりあと共に、「痛さは強さ!」を口上にして妄想の世界でステマ乙との闘いを繰り広げる。
 「ゆめりあ」という名前からしてもう素晴らしい。iTunesの殿堂入りプレイリストに「24時間あいしてる」を入れている自分、大歓喜です。

 妄想の世界では相手の敗北フラグをいかにして拾うかが勝負の分かれ目で、ヒーローにあるまじき卑怯な戦法も堂々とやってみせる。マニアックすぎる戦隊ネタからオタクあるあるまで、基本的にコメディで構成されている本作。
 その一方で、「イタイタ☆イエローママ」や「痛戦隊、解散。」といった決めるところは決めるちょっと良い話、熱いエピソードもあるのがこの作品のすごいところです。個人的に好きだったのは「はばたけ大御所!妄想撮影所の痛い罠」での“カメラに映っているものだけが真実”という格言(?)を活かして、直接手を出していない攻撃をカメラアングルで本物にしてしまうシーン。このこじつけというかハウダニットの精神はミステリと同じ精神を感じるものがあります。

 そして、アキバのただのオタクである彼らが妄想の世界を飛び出し、現実世界で変身する「痛戦隊、解散。」は屈指の神回です。特別な人間がヒーローになるのではなく、諦めない心と守りたいという信念こそがヒーローの条件という『ウルトラマンサーガ』にも通ずるヒーロー論まで画として見せてしまうのだから、一見ふざけているように思えて、現代における特撮ヒーローものとしての描くべきポイントをきちんと押さえたドラマ性も高い物語であることがわかります。
 赤木と女子ふたりの対談は劇中そのまんま(リアルでは美月がオタでゆめりあが非オタですが)な関係性で雑誌などで読んでいてついにやけてしまうものがあるし、二期を希望したいのは山々ですが、ここは敢えて新メンバー加入ナシのこの雰囲気のままで終わらせて頂きたい。
 勿論、EDの妄想のように映画化とかは期待してしまうわけですけど。『アキバレンジャー』、最高です!!


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はろーすみす

Author:はろーすみす
シリーズものも平気で数年寝かせる積読家。本格ミステリとスター・ウォーズ小説を中心に読み漁り、新刊・話題作はあまり追っていません。

好きなミステリ作家は古野まほろ、はやみねかおる、西尾維新、霧舎巧。
ジャンル外では築山桂と小川一水。
講談社ノベルスをこよなく愛す特ヲタ。

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