2012.06/30 [Sat]
映画『ザ・インタープリター』
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★★★☆☆
国連に勤務する同時通訳のシルヴィアはアフリカのクー語を担当している。そのクー語が使われる小国マトボの大統領が国連で演説することになるのだが、シルヴィアは大統領が暗殺するという情報を聞いてしまう。シークレット・サービスのトビンがシルヴィアを護衛するが、彼女も怪しげな行動をとり始め……。 (2005年 アメリカ)
地上波で放送があったので録画視聴――と言いたいところですが、3ヶ月も前に録ったものでした。積読本もさることながら、HDDの中の映画も結構溜めこんでいるんですよね。『THE LAST MESSAGE 海猿』とか、録画したやつを観る前にまた放送されるし……。
それはさておき、アフリカの民族紛争をテーマに盛り込んだ社会派サスペンスです。この手のサスペンス映画として至ってありがちなあらすじなので、よくある巻き込まれ型のサスペンスかと観ていると、どうにも違うらしい。主人公であるハズのシルヴィアに何かしらの秘密があるらしく、シークレット・サービスの目を盗んで人と逢っていたり、あろうことか容疑者のひとりと目される大統領の対立者にまで接触する。言ってみれば本作のフォーマットはミステリにおける“信頼できない語り手”テーマに近しいものがあり、この行動の不明瞭さが主人公の視点から一定以上に観客を引き離しており、かなりの座りの悪さを覚えます。
心に傷を抱えたシルヴィアとトビンがやりとりを交わす中で互いの支えになっていくストーリーに対して、俯瞰型の作劇はちょっと向いていませんでした。
計画がバレても銃を突き付けられてもまったく動じない事件の黒幕。そんな人物でさえ、かつてのシルヴィアや冒頭の少年たちと同じように、変わらざるを得なかった者のひとりであり、もはやそれが取り戻せないものであると改めて実感させるクライマックスは決して綺麗ごとではない〆めで、なかなか印象に残ります。
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