2012.06/19 [Tue]
アニメ総評:『ポケットモンスター ベストウイッシュ』
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★★★★☆
最強コンビ! サトシとピカチュウが新たな冒険の地、イッシュ地方についに上陸。そんな彼らを待つのは、すべてが見た事のないポケモン達! そして続々と登場する新キャラクター!全てが新しくなったポケモンアニメ究極進化! (全84話)
アニメ「ポケットモンスター」第4作。
新作ゲーム『ポケットモンスターBW2』の発売に伴って、現行のアニメシリーズが『シーズン2』へとタイトル変更。特別表記なしの『シーズン1』は先週放送ぶんで最終回になります。
従来シリーズと比べ、今回の『BW』において大きな変更点といえば第一にピカチュウとニャース以外の旧ポケ勢の封印、第二にロケット団のシリアス化→準レギュラー降格が挙げられます。前者に関しては原作ゲームの設定上仕方のないことで、どれもが新鮮に見える反面、登場ポケモンが150匹に限定されたために登場トレーナーの手持ちに被りが多くなるという難点が見られました。
一方で、ロケット団のキャラが前シリーズまでとはガラっと変化し、出番が大幅に減ったことについては私は賛成派です。というのも、これまでのアニポケはジム戦・進化・ゲット回以外のいわゆる捨て回は必ずといって良いほどにロケット団の悪巧みを撃退して「やなかんじー」で〆るという、マンネリを通り越したテンプレートになっていました。しかし、今回その縛りを排したことによって、1回1回のオチの付け方が様々になり、捨て回そのもののクオリティが格段に上がったと思います。
また、番組のラストでワルビルが登場して終了、といったクリフハンガーがときたま導入されるようになったのも試みとしては面白いです。
震災の影響によって無期延期にされた「ロケット団VSプラズマ団」の存在も『BW』を語る上では避けて通れません。本来の構成ではわりと早い段階で挿入される予定だったいわゆる縦軸のエピソードですが、ド派手な破壊描写が良くなかったのか震災の煽りを受けて完全になかったことにされています。
ロケット団のシリアスキャラへの変更とサカキ参入という『BW』の基本部分に噛んでいるだけに、これが放送されなかったのは痛いです。ただし、このあたりのゲームシナリオについては、いまのペースから見てまず間違いなく『シーズン2』でまとめて消化してくると思われるので、あまり心配はしていません。
今回サトシの旅に同行するのはドラゴンマスターを目指すヒロインのアイリスと、ジムリーダーでポケモンソムリエのデントで、これまでのどのシリーズとも異なり、サトシと対等な目線の友達キャラになれています。私としては褐色肌の女の子キャラは大好きなのでアイリス大歓迎。普段の服が寝巻きみたいでそこだけはいつまで経っても馴れないのですが……。
デントは変態すぎてやばいですね。宮野さんがどんな顔して演じているのか1度見てみたいくらいです。そしてこれだけネタキャラでありながら、ポケモンバトルの腕が立つというギャップも面白い。特にイワパレスの安心感は凄まじいです。
サトシはというと、いつもながら初期のリセットはメタ的な都合で仕方ないとはいえ、わりかし戦略を考えてくるようになったあたりが『DP』を経た成果でしょうか(カミツレ戦の酷さはサトシのせいじゃなくて脚本家のせい!)。少なくともこれまでのサトシならば、ハチク戦での機転の利いた入れ替えや、ホミカ戦で見せたような特防下げ狙いのエナジーボールなんて真似はできませんでしたからね。
ただ、2年間でピカチュウを入れて手持ち10匹は多すぎました。キャラが立っているのはピカチュウ、ツタ姐さん、チャオブー、ミジュマル、ズルッグ、ワルビルの6匹くらいなもので、残りのケンホロウ、ガントル、ハハコモリ、ガマガルがどうしても控えの域を出ていない。『DP』が4年間で8匹だったことを考えると、これは少し多すぎたかなぁと。ガマガルなんかはイッシュ組でも実力上位なのに、それ故に公式戦以外で呼ばれないのが勿体ない。
描き切れていないといえばシューティーも同様です。あのシンジの後のライバルということで、見る側もかなり期待してしまうわけですが、蓋を開けてみれば悪態をつくだけの基本厨で応用に弱く、また他人のバトルから学ぼうという意欲もない。カベルネ、ケニヤン、ベル、ラングレーといった他のライバルキャラとはときに仲良く、ときに憎まれ口を叩き合いながら良好な関係を築いているというのに、シューティーだけが完全に蚊帳の外。バトルは専門外のサブキャラ・ルークにすらキャラ負けしているのは、さすがに危機感を覚えた方が良い気がします。
――と、まぁ長々と語ってしまいましたが、これもすべて愛ゆえです。『ポケモン』を『無印』第1話から観ている直撃世代としては語っても語りたない。今週からの『シーズン2』ではヒカリやシロナさんも参戦するということで、相当楽しみにしています。
『シーズン1』では決着のつかなかったイッシュリーグの行方と共に、『BW』の今後を暖かく見守っていきたいです。
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