2012.05/23 [Wed]
田中芳樹『霧の訪問者 薬師寺涼子の怪奇事件簿』
![]() | 霧の訪問者 薬師寺涼子の怪奇事件簿 (講談社ノベルス) 田中 芳樹 講談社ノベルズ 講談社 2006-08-25 売り上げランキング : 692932 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
★★★☆☆
女装道? そういう具合に何かというと道を持ち出すのこそ、男性原理よ。マッチョよ。
もっと自由に、もっとやわらかく、もっとしなやかに!
米国の美人富豪のパーティーに招待された警視庁一の傍若無人女王・薬師寺涼子警視、休暇を取って部下・泉田と軽井沢へ。ところが泉田拉致を皮切りにホテル焼失、富豪令嬢自殺、女装軍団集結と事件が続発、軽井沢は大混乱に!真相を探るべくお涼はお得意の攻撃と破壊の強引捜査を開始するが、行く手を身勝手富豪・マイラが阻む。
「薬師寺涼子の怪奇事件簿」第7作。
来月の新刊発売に備えて読了。これも出版当時に買ってきたので6年間ほど積読していました。
というのもこの「薬師寺涼子の怪奇事件簿」、最初は西洋の伝説である怪物たちを薬師寺涼子が薙ぎ払う話だったのに、前々巻の『黒蜘蛛島』あたりから作品のカラーが変わってきて、『黒蜘蛛島』、『夜光曲』と2作連続で人間に化けた妖怪との対決になってしまったのです。しかも、この前の巻がはっきり言ってつまらなかった。そんな事情もあっての長期間の積読でした。
そんな今巻のテーマはクローン人間。最終的には少し違うところに落ち着くのですが、それにしたってやはり路線変更な感が否めません。いや、確かに「怪奇事件簿」ではあるんだけどさぁ。そもそもの作品コンセプトから大幅に逸脱してません?
おまけにいつもならばお涼が好き勝手やった挙句に完膚無きまでに叩き潰して終わるところですが、今回は作者までもが大暴走。なぜか軽井沢でジャッキーを始めとした女装家軍団(つまるところオカマ)が会合を開き、公道を占拠、警察までもが出動する事態に発展します。田中先生、何やってるんですか!
もともと真面目さを求める類の作品ではないですけど、ここまでギャグに走っちゃって大丈夫なんでしょうか。赤ずきんフェチの私には、挿絵の破壊力が大きすぎるよ(悪い意味で)
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