2012.04/22 [Sun]
マンガ総評:ミヨカワ将『ST&RS -スターズ-』
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★★★☆☆
宇宙には「未知」があふれている……。西暦2033年、世界は、とある理由から火星に人類を送り込む計画を始動させていた……! 宇宙バカの少年・白舟真帆は、“約束の日"を目指して、宇宙飛行士への道を歩み出す!! 全5巻。
今週(というか先週?)の『ジャンプ』で最終回を迎えた『ST&RS -スターズ-』。エイリアンからのメッセージを受け取った地球人と特別な力に導かれた子供たちが、“約束の日”に火星での会合を果たすため宇宙を目指すというストーリーです。
前半は宇宙飛行士学校への入学とそこでの訓練が主な内容となっており、仲間との結束だったり、ライバルたちとの対決だったりと少年マンガらしいスポ根ものに近い展開が用意されています。このあたりは私の愛するドラマ版『ふたつのスピカ』によく似ていたりもするのですが(原作とアニメ版は未見)決定的に異なるのはやはり、物語が綺麗すぎることでしょうか。
真帆が結構な天然さんなこともあって周囲とは衝突しないし、主人公サイドを徹底的に潰そうという策略もありません。
また、物語の綺麗さに反していえば後半、真帆たちが宇宙に出てからのSFというよりはファンタジー寄りなお話になっていった部分も同様で、宇宙人であるペロプニャンとの邂逅が理想的すぎるのです。エイリアンとのファースト・コンタクトなのだから地球側ももっと警戒して然るべきだし、そもそも真帆たちの力に関しても侵略の第一歩として捉えられてもおかしくないハズなのに、そういった話運びにはならない。
勿論、それが悪いわけではないのですが、SF映画をよく観ていて、1番好きな海外ドラマが『スタートレック』という身からすると、違和感を拭えない。設定的にはSFに見えるもののやりたいことはファンタジーという印象でした。
そしてやはり問題なのが『ジャンプ』の打ち切りシステムでしょう。『マガジン』の布石放置しっぱなしエンドも大概酷いですが、いつ打ち切られるかわからない状況で、これだけスケールの大きな物語を終わりまで持っていこうとすると、どうしても駆け足にならざるを得ないわけで。そういった意味でもやはり『ジャンプ』向きの題材ではないんですよね。
掲載順が毎週最下位でぶつ切りにされたらどうしよう、と冷や冷やしながら読んでいたのですけど、結果的にはそれぞれの決意と新たなる門出、そしてまだ見ぬスターズの誕生とかなり上手くまとめられていたので良かったです。
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