| 【感想】 虹色ほたる 永遠の夏休み /川口雅幸 |
★★★★☆
一年前に交通事故で父親をなくした小学6年生のユウタは、夏休みに一人、父親とよくカブトムシを取りに来た山奥のダムで足をすべらせる。目を覚ましたユウタの前には、一人の小さな女の子・さえ子とダムに沈んだはずの村が。どうやら三十年以上前の村にタイムスリップしてしまったらしい。そしてそれはユウタにとって、かけがえのないもう一つの夏休みのはじまりだった……。
児童書。表紙のイラストや色使いも綺麗で、「本」としても逸品。
いやぁこれは良かった。 個人の好みでアレなのですが、擬音と、一部語尾の妙なカタカナ表現にさえ目を瞑れば、☆×5の出来ですよ。
もともと“夏”というワードに、非常に弱いのですが(“ひと夏の思い出”みたいな)、それに加えてノスタルジーを感じさせる舞台設定、忘れてしまった記憶、とこちらのウィーク・ポイントを的確に突いてきて、かなりやばいです。
基本的な設定やラストの展開は決して新しいものとは言い難いけれど、物語の「軸」となっている中盤部分がそれを補って余りあるほどに良い。むしろ、この物語の締めとして、あれ以上のラストはないだろうと思えるくらい。
とにかく、児童書と侮ることなかれ。“夏”の物語に飢えている、懐かしい気分に浸りたい、少しでもそう思ったのなら迷わず読むべき一冊です。
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