2012.01/17 [Tue]
成瀬史弥『平成仮面ライダー怪人伝』
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★★★☆☆
平成仮面ライダー12作品の「異界の住人」を探る解体新書。「平成仮面ライダー」シリーズの『仮面ライダークウガ』から『仮面ライダーオーズ/OOO』まで、仮面ライダーと戦うこととなった、「グロンギ」や「グリード」といった各種の「怪人」たち――。さまざまな背景を持つ“異形者の世界”を紐解く一冊! 各作品の代表的な怪人のエピソードを紹介する「怪人ファイル」に加え、登場怪人をすべて網羅した「怪人リスト」も掲載!!
「平成仮面ライダー伝」第3作。
非特オタ向け平成ライダー紹介書籍「平成仮面ライダー伝」シリーズも、とうとう3作目が出ちゃいました。表紙のアンクが渋い本作は、その名のとおり平成ライダーに登場する数多の怪人たちにスポットを当てた書籍になっています。
敵キャラといえばライダーシステムの出自と共に作品の根幹を築いている最重要要素であり、怪人について詳述するということは、即ち各作品の設定を見ていくのと同義です。ひと口に仮面ライダーといってもそれぞれの作品で世界観が異なり、テーマも語りたいことも描かれているものも違う。
主役であるライダーも良いけれど、怪人の存在は番組の面白さを存分に知るために最も適した素材なのです。
そのため、本書はこれまで刊行された2作よりもずっとディープな、いわば“より詳しく知りたい人向け”の中級編といえるでしょう。『クウガ』におけるグロンギ語対訳表とか『キバ』のナイト&ポーンといった裏設定にまで言及されていて驚きました。著者はたまたま興味を持ったライトユーザーを熱烈なマニアにしてしまう気満々です。
まぁ『キバ』好きとしては“人間も13魔族のうちの1種”という設定にも触れておいて欲しかったりもするのですが、そこまで多くを望むのはちょっと贅沢ですかね。
『電王』と『ディケイド』に関しては公式見解でフォローし切れていない部分もあるので、読んでいて扱いに苦慮しているなぁとは感じました。特に『電王』のテレビシリーズ終了以後の設定について、独自の解釈が入っているところは賛否両論だと思います。
また、ページ数の関係上、各作品で紹介できる怪人の数に限りがあり、結果としてキャラクターのチョイスに統一性がなくなってしまった点も残念なポイントです。第1話登場の怪人を載せるのか、それとも作中で印象に残る強敵を選ぶのか、はたまた幹部怪人を優先させるのか――そういった法則性をきちんと設けなかったために、肝心の怪人紹介ページが若干微妙なつくりになってしまったことは否めません。
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