2010.03/02 [Tue]
佐口賢作『小説 カレイドスター レイラ・ハミルトン外伝 レイラ・オン・ザ・エッジ』

★★★★☆
アナ。高く、鷲のように高く舞って。
――カレイドステージ。
それはサーカスでもない、ミュージカルでもない、マジックでもない、世界的大人気のエンターテインメントショー。
そしてそのスターダムを駆けのぼっていたカレイドステージの若きスター、レイラ・ハミルトン。
初主演のカレイドステージ公演を成功させたレイラだったが、突然オーナーのカロスに呼び出され、「次の公演から外す」と宣告されてしまう。思い悩んだレイラは、辛い時にはいつも支えになってくれる母が残した一冊の手帳を読み返すのだった。そして。かつて母が家を飛び出したように、ひとりで自分探しの旅に出る決心をする。旅先で見る風景、出来事、そして心優しき人々。──そらに出会う前のレイラの、スリリングでちょっぴりセンチメンタルな物語。
アニメ『カレイドスター』オリジナルノベル。
本編の数年前、まだ幼い(?)頃のレイラさんにスポットを当てた番外編です。
――というわけで、読みました『レイラ・オン・ザ・エッジ』。早々に売り切れた状況からしても未だに『カレイドスター』の人気が根強いことを改めて実感しました。というか、版元であるキャラアニに在庫が無くなってしまったことで実質的に入手不可の代物と化したっぽい。大切にします。
さて内容ですが、この作品より少し前に出た小説『ポリスの すごい 結婚式』が番外編的内容だったのに対して、こちらはガチで『カレイドスター』やってます。あのレイラさんが公演から外され、挫折を味わい、再起していくという展開はまさにスポ根。たとえ主題がステージを離れた自分探しの旅であろうがなかろうが、スポ根スピリッツに溢れた作品になっています。
一見、ルールに厳しくお堅い雰囲気のレイラさんですが、内面に秘めた熱いものの所為かたまにこういう突飛なことするんですよね。現状に煮詰まっての一人旅というとOVA『Legend of phoenix』を思い出しますけど、今回もそんな感じ。というか本作のエピソードがあったからこそ『Legend of phoenix』でもフェニックスの演技に悩んで自転車の旅という手段に奔ったとも考えられるわけで。そういった意味ではレイラさんにとっての“現状打破=一人旅”の原点となった物語かもしれません。
スターの卵とはいえ箱入り娘には違いないレイラさんが世間のことを何も知らずに飛び出した旅先で苦労したり、色々の経験をしたり、掛け替えのない友人と出逢ったりと、旅を経ることでレイラさん――いや、ちびレイラさんが成長していく様は王道ではありますが、レイラさんの意外な一面が見られたり、あのレイラさんとは思えないくらいに可愛かったりと(失礼)キャラクターをフィーチャーしたノベライズ作品としては上々の出来だったかと思います。
何より、この作品が単にちびレイラさん一人旅で終わることなく、『カレイドスター』のウリである演技や技で魅せるといったところも意外なカタチで関わせてくるところが良かったです。旅で見た景色から新技の着想を得るとか――わかってるよ、佐口さん!!
レイラさん本人のことではないにしろ、やっぱり奮闘あってのスポ根。演技あっての『カレイドスター』ですからね。
そんなわけで『カレイドスター』ファンなら読んで損のない作品なのは間違いなしです。
十二分に満足でした。
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