2009.03/07 [Sat]
貴志祐介『青の炎』
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★★☆☆☆
どうしても、やるしかないのかもしれない。
櫛森秀一は、湘南の高校に通う十七歳。女手一つで家計を担う母と素直で明るい妹との三人暮らし。その平和な家庭の一家団欒を踏みにじる闖入者が現れた。母が十年前、再婚しすぐに別れた男、曾根だった。曾根は秀一の家に居座って傍若無人に振る舞い、母の体のみならず妹にまで手を出そうとしていた。警察も法律も家族の幸せを取り返してはくれないことを知った秀一は決意する。自らの手で曾根を葬り去ることを……。
ただでさえ倒叙式ミステリは苦手なタイプなのに、主人公の性格が致命的なくらい嫌い。「DEATH NOTE」の夜神月とか「コードギアス」のルルーシュ的な、外面だけ優等生を演じて、あまつさえ意のままに人を操ろうという(いや、ルルは好きなんだけどね)。普段、本を読む上で感情移入なんて微塵も考えないけど、それでも少し抵抗が。
内容としては、母親と妹を守る為の最終手段として殺人を選ばざるを得なかったところまでは良しとして、第二の殺人は「殺人を隠す為の殺人」という殺人の安易化をやってしまう最悪な展開。「殺人は慣れる」を体現してしまった主人公はもう、同情の余地ナシ。他に手段があっただろ。はっきり言って怒ってます。
そんな感じで、とりあえず「日本ミステリー史に残る感動の名作」という文庫裏のあらすじには異議を申し立てたいところ。
しかし、後半270ページを一日で読んでしまったのも事実なので、決してつまらなかったという訳ではないんだよね。うん……。
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NoTitle
「何度でも繰り返し金をせびる」と宣言している奴に殺人の証拠を握られて、殺して口止め以外にどんな手段があんの?
しかも殺した理由だって妹を守るためなのに、同情の余地が無いとか畜生の思考やん
「怒ってます(キリ」ってwwwこれは見事なキチガイやなあwwww