2009.11/13 [Fri]
相棒 Season 8 第4話「錯覚の殺人」
★★★☆☆
テレビ局社員の絵美が無人のスタジオで転落死した。別件で局を訪れていた右京と尊は、総務部の絵美が無人のスタジオにいたことに疑問を抱く。転落死した隣のスタジオで聞き込みを始め、そこで収録中のバラエティ番組に出演していた教授・好田を紹介される。大学では目の錯覚を専門にしている好田だが、局に到着したのは絵美が転落死した後。渋滞に巻き込まれて到着が遅れたという完璧アリバイがある。右京と好田の静かなる頭脳戦が始まる!
誰が上手いことを(ry
いや、言うと思ったけどね、錯覚の殺人。
それはさておき。形式上はバディであっても、未だ本当の“相棒”にはなっていない右京さんと神戸君。そんな時だからこそできるお話ということで、今回は神戸君が右京さんを出し抜こうと奮闘――というか先走ります。その結果は、まぁ犯人が思った以上に“できる”人間で、まんまと一杯食わされてしまうわけですが。制止を振り切って犯人への揺さぶりを続ける神戸君に対し、途中から「とりあえずやらせてみよう」と保護者的目線で後を着いていく右京さんという図式が、後半ではその逆――右京さんの後を追う神戸君となるのが面白いです。
とはいえ、失敗はしてもさすがは元推薦組。神戸君が洞察力に長けた優秀な警察官であるには変わりなく、芹澤君を置いてきぼりにして右京さんのやろうとしていることなんかは、しっかり通じちゃってます。芹澤君カワイソス
で、今回の事件ですが、見せ方に失敗したため、タイトルとテーマが上手く生かしきれなかったのが勿体なかったですね。
(以下、ネタバレにつき)
今回のテーマは言うまでもなく“錯覚”。ドラマは倒叙方式のアリバイ崩しで進行し、その最大の焦点が「大勢の人間の監視がある地下駐車場を通り、どうやって疑われずに外に出たのか」ということ。 駐車場に出るドアの近くに貸衣装のラックがあり、そこでそれっぽい衣装を調達し、宅配便の配達人に成りすました、という所謂“透明人間化”がその方法だったのですが、後で調べたところ、無くなった衣装はどうやら配達人が普段着ているようなブルーのシャツではなかったことが判明します。そのときブルーの衣装はラックに掛かっていなかった、と。
で、芹澤君がその替わり「○○がなくなっていた」と右京さんに報告し、それで「どういうことだ?」となり、CMを挿んで、すぐさまアリバイ崩しの場面になります。それによると、犯人はグレーのシャツを黄色いライトの色に包まれることでブルーに見せていた、ということでした。そして工作の証拠であるブルーのシャツとは異なる色のそのシャツを、殺人後も堂々と着ていたので余計に気付かなかった。
ここで問題なのが、芹澤君が何を発見したのか劇中で明言しなかったことです。
おそらく、制作者側としては、点灯→「ブルーのシャツ!」→消灯→「グレーでしたー」という演出を、まずはインパクトある画で見せてから説明に入るという流れにすることで、クライマックスに派手な演出を持ってきたかったのだと思います。
ですが、これでは真相解明のために証拠が回答編の前にすべて提示されておらず、トリックの推理を行う上でかなりアンフェア。フェアプレーを重んじるのであれば「グレーのシャツがなくなってる!」→「変装に必要だったのはブルーのハズなのに……なぜ?」→「グレーのシャツでも……」→点灯→「ブルーに見える!」という流れにすべきでした。この場合、タイトルもヒントのひとつとなっているので、視聴者は“錯覚”という言葉で一度立ち止まり、最終的によりしっくりとくると思います。実際、自分は今回見ている最中、「錯覚の殺人」というタイトルと事件がいまいち繋がってきませんでした。
ただ、後者の流れにするとスマートではあるのですが、点灯前にグレーのシャツであることがわかっているので、盛り上がりに欠けることは否めないが事実です。
しかし、演出の派手さを重視した結果、物語がイマイチになってしまった話が過去に何度もあったのもまた事実。「劇場版」とか「ノアの方舟」とか……。
面白ければ地味で良いんですよ、地味で。派手なものを見たければ、そういった映画を見れば良い。そういう「ばぁーんっ!」「ぎゃーん!!」な派手画が大好きな大衆を切る為に亀山君を卒業させたわけでしょ?(偏見
そんなわけで、演出>フェアプレー になってしまったのが残念でなりません。
これが製作者と一視聴者の視点の乖離――すなわち、錯覚……
誰が(ry
テレビ局社員の絵美が無人のスタジオで転落死した。別件で局を訪れていた右京と尊は、総務部の絵美が無人のスタジオにいたことに疑問を抱く。転落死した隣のスタジオで聞き込みを始め、そこで収録中のバラエティ番組に出演していた教授・好田を紹介される。大学では目の錯覚を専門にしている好田だが、局に到着したのは絵美が転落死した後。渋滞に巻き込まれて到着が遅れたという完璧アリバイがある。右京と好田の静かなる頭脳戦が始まる!
誰が上手いことを(ry
いや、言うと思ったけどね、錯覚の殺人。
それはさておき。形式上はバディであっても、未だ本当の“相棒”にはなっていない右京さんと神戸君。そんな時だからこそできるお話ということで、今回は神戸君が右京さんを出し抜こうと奮闘――というか先走ります。その結果は、まぁ犯人が思った以上に“できる”人間で、まんまと一杯食わされてしまうわけですが。制止を振り切って犯人への揺さぶりを続ける神戸君に対し、途中から「とりあえずやらせてみよう」と保護者的目線で後を着いていく右京さんという図式が、後半ではその逆――右京さんの後を追う神戸君となるのが面白いです。
とはいえ、失敗はしてもさすがは元推薦組。神戸君が洞察力に長けた優秀な警察官であるには変わりなく、芹澤君を置いてきぼりにして右京さんのやろうとしていることなんかは、しっかり通じちゃってます。芹澤君カワイソス
で、今回の事件ですが、見せ方に失敗したため、タイトルとテーマが上手く生かしきれなかったのが勿体なかったですね。
(以下、ネタバレにつき)
今回のテーマは言うまでもなく“錯覚”。ドラマは倒叙方式のアリバイ崩しで進行し、その最大の焦点が「大勢の人間の監視がある地下駐車場を通り、どうやって疑われずに外に出たのか」ということ。 駐車場に出るドアの近くに貸衣装のラックがあり、そこでそれっぽい衣装を調達し、宅配便の配達人に成りすました、という所謂“透明人間化”がその方法だったのですが、後で調べたところ、無くなった衣装はどうやら配達人が普段着ているようなブルーのシャツではなかったことが判明します。そのときブルーの衣装はラックに掛かっていなかった、と。
で、芹澤君がその替わり「○○がなくなっていた」と右京さんに報告し、それで「どういうことだ?」となり、CMを挿んで、すぐさまアリバイ崩しの場面になります。それによると、犯人はグレーのシャツを黄色いライトの色に包まれることでブルーに見せていた、ということでした。そして工作の証拠であるブルーのシャツとは異なる色のそのシャツを、殺人後も堂々と着ていたので余計に気付かなかった。
ここで問題なのが、芹澤君が何を発見したのか劇中で明言しなかったことです。
おそらく、制作者側としては、点灯→「ブルーのシャツ!」→消灯→「グレーでしたー」という演出を、まずはインパクトある画で見せてから説明に入るという流れにすることで、クライマックスに派手な演出を持ってきたかったのだと思います。
ですが、これでは真相解明のために証拠が回答編の前にすべて提示されておらず、トリックの推理を行う上でかなりアンフェア。フェアプレーを重んじるのであれば「グレーのシャツがなくなってる!」→「変装に必要だったのはブルーのハズなのに……なぜ?」→「グレーのシャツでも……」→点灯→「ブルーに見える!」という流れにすべきでした。この場合、タイトルもヒントのひとつとなっているので、視聴者は“錯覚”という言葉で一度立ち止まり、最終的によりしっくりとくると思います。実際、自分は今回見ている最中、「錯覚の殺人」というタイトルと事件がいまいち繋がってきませんでした。
ただ、後者の流れにするとスマートではあるのですが、点灯前にグレーのシャツであることがわかっているので、盛り上がりに欠けることは否めないが事実です。
しかし、演出の派手さを重視した結果、物語がイマイチになってしまった話が過去に何度もあったのもまた事実。「劇場版」とか「ノアの方舟」とか……。
面白ければ地味で良いんですよ、地味で。派手なものを見たければ、そういった映画を見れば良い。そういう「ばぁーんっ!」「ぎゃーん!!」な派手画が大好きな大衆を切る為に亀山君を卒業させたわけでしょ?(偏見
そんなわけで、演出>フェアプレー になってしまったのが残念でなりません。
これが製作者と一視聴者の視点の乖離――すなわち、錯覚……
誰が(ry
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- at 12:03
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NoTitle
右京さんより先に解いてやろうという、本来の任務(右京さんの観察)はどうしたよ?と思わせる一面が。ソンの本来の性格なのかなーと思うとほほえましい。